月の満ち欠け [日本の現代文学]
「月の満ち欠け」 佐藤正午 (岩波文庫的)
女が何度も生まれ変わって、男に会いにいくという、転生を題材にした小説です。
2017年の直木賞受賞作で、2019年に初の「岩波文庫的」として文庫化されました。
三角哲彦(みすみあきひこ)は20歳のとき、28歳の瑠璃(るり)と恋に落ちました。
しかし、瑠璃は正木という男の妻であって、三角との関係はひどく危ういものでした。
あるとき瑠璃は三角に、「いつでも、試しに死ぬ覚悟はある」と言うことを言います。
「月のように死んで、月の満ち欠けのように、生と死を繰り返して会いに来る」と。
そのわずか一週間後、瑠璃は地下鉄での不慮の事故で、本当に死んでしまいました。
そして三角の頭には、「月のように死んで生まれ変わる」という言葉が刻まれました。
その7年後、小山内瑠璃という7歳の少女が、高熱のあと記憶を取り戻し・・・
18歳になった小山内瑠璃とその母は、三角に会いに行く途中で交通事故に遭い・・・
その不幸な事故から7年後、小沼希美は原因不明の高熱のあと記憶を取り戻し・・・
やがて正木は、希美がかつての◯であることに気づいて・・・
さすが直木賞受賞作です。めちゃくちゃ面白いです。読み始めたら本を置けません。
私は休日にいっき読みしました。久々に読書の楽しみを、心から味わいました。
そして、感動のラスト。思わず涙が出てきます。
ただ、もう少しふたりのその後を描いてほしかったです。(もう少しだけ)
また、四代に渡る物語なので、人物関係が複雑で、なかなか頭が整理できません。
出てくる順序も不規則なので、途中から人物関係図を書きながら読み進めました。
そのほか、この小説については、「とにかく買って読んでみて」とだけ伝えたい。
ついでながら、映画の方も見てみたいです。有村架純も出ているし!
ところで小説中に、「前世を記憶する子どもたち」(角川文庫)が出ていました。
2021年に出たばかりの本で、積ん読中の本です。この作品によって広まりそうです。
また、転生ものの作品といえば、以前「前世への冒険」を紹介しました。傑作です。
「前世への冒険」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2012-08-17
転生と言ったら、三島由紀夫の「豊饒の海シリーズ」だろ、という人も多いです。
しかし、私的には「春の雪」が傑作すぎて、シリーズで扱う気がしないので除外!
「春の雪」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2015-12-23-1
さいごに。(3月発売予定の気になる文庫本)
3/7 「決定版 第二の性(1)事実と神話」 ボーヴォワール (河出文庫)
→ 「人は女に生まれない。女になるのだ。」 ボーヴォワールの代表作。
以前新潮文庫で出ていた本の復刊か。新潮文庫版はプレミアがついて高値。
3/14 「転落」 カミュ (光文社古典新訳文庫)
→ 今年ぜひ読みたいと思っていた小説の待望の新訳。とてもありがたい。
女が何度も生まれ変わって、男に会いにいくという、転生を題材にした小説です。
2017年の直木賞受賞作で、2019年に初の「岩波文庫的」として文庫化されました。
三角哲彦(みすみあきひこ)は20歳のとき、28歳の瑠璃(るり)と恋に落ちました。
しかし、瑠璃は正木という男の妻であって、三角との関係はひどく危ういものでした。
あるとき瑠璃は三角に、「いつでも、試しに死ぬ覚悟はある」と言うことを言います。
「月のように死んで、月の満ち欠けのように、生と死を繰り返して会いに来る」と。
そのわずか一週間後、瑠璃は地下鉄での不慮の事故で、本当に死んでしまいました。
そして三角の頭には、「月のように死んで生まれ変わる」という言葉が刻まれました。
その7年後、小山内瑠璃という7歳の少女が、高熱のあと記憶を取り戻し・・・
18歳になった小山内瑠璃とその母は、三角に会いに行く途中で交通事故に遭い・・・
その不幸な事故から7年後、小沼希美は原因不明の高熱のあと記憶を取り戻し・・・
やがて正木は、希美がかつての◯であることに気づいて・・・
さすが直木賞受賞作です。めちゃくちゃ面白いです。読み始めたら本を置けません。
私は休日にいっき読みしました。久々に読書の楽しみを、心から味わいました。
そして、感動のラスト。思わず涙が出てきます。
ただ、もう少しふたりのその後を描いてほしかったです。(もう少しだけ)
また、四代に渡る物語なので、人物関係が複雑で、なかなか頭が整理できません。
出てくる順序も不規則なので、途中から人物関係図を書きながら読み進めました。
そのほか、この小説については、「とにかく買って読んでみて」とだけ伝えたい。
ついでながら、映画の方も見てみたいです。有村架純も出ているし!
ところで小説中に、「前世を記憶する子どもたち」(角川文庫)が出ていました。
2021年に出たばかりの本で、積ん読中の本です。この作品によって広まりそうです。
また、転生ものの作品といえば、以前「前世への冒険」を紹介しました。傑作です。
「前世への冒険」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2012-08-17
転生と言ったら、三島由紀夫の「豊饒の海シリーズ」だろ、という人も多いです。
しかし、私的には「春の雪」が傑作すぎて、シリーズで扱う気がしないので除外!
「春の雪」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2015-12-23-1
さいごに。(3月発売予定の気になる文庫本)
3/7 「決定版 第二の性(1)事実と神話」 ボーヴォワール (河出文庫)
→ 「人は女に生まれない。女になるのだ。」 ボーヴォワールの代表作。
以前新潮文庫で出ていた本の復刊か。新潮文庫版はプレミアがついて高値。
3/14 「転落」 カミュ (光文社古典新訳文庫)
→ 今年ぜひ読みたいと思っていた小説の待望の新訳。とてもありがたい。
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