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考える技術・書く技術 [読書・ライフスタイル]

 「考える技術・書く技術」 板坂元 (講談社現代新書)


 材料を集めてレポートとしてまとめるまでの方法を、分かりやすく解説した本です。
 現在も講談社現代新書のレギュラーです。1973年以来ずっと読み継がれてきました。


考える技術・書く技術 (講談社現代新書)

考える技術・書く技術 (講談社現代新書)

  • 作者: 板坂 元
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1973/08/31
  • メディア: 新書



 私がこの本と出会ったのは、今から25年ほど前で、社会人数年目のことでした。
 当時は「知的生活」に憧れていて、いつか自分の本を出したいと思っていました。

 Ⅰ、頭のウォームアップ。Ⅱ、視点。Ⅲ、読書。Ⅳ、整理。Ⅴ、発想。Ⅵ、説得。
 Ⅶ、仕上げ。Ⅷ、まとめ。以上、本を書くためのノウハウが述べられています。

 中でも時代を感じさせられるのが、カード・システムについて論じた部分です。
 1970年代~1980年代は、カード・システムが情報処理の王道でした。懐かしい。

 そういえば、私は大学の授業で、KJ法などのカードを使った実習をしました。
 現在、情報処理といったら、パソコンを抜きにして考えられませんよね。

 しかしこの本を読んだ当時、カード・システムという知的な香りに憧れました。
 大学以来久々に、文房具店に行ってカードを買ってきたりなんかして・・・

 ところで、本書の最大の魅力は、随所に見られる著者の何気ない言葉です。
 たとえば、「まとめ」で書かれた次の部分は、とても印象に残りました。

 近代社会は、人間をブロイラー・チキンのように働かせる仕組みになっている。
 こういう体制では自分の生活を守ることが大事だが、だからといって、仕事を
 途中で放り出して帰るような連中は、生活もブロイラー・チキンになっている。
 何でもいいから好奇心を燃やして、損得関係なく立ち向かうべきだ。(要約)

 ブロイラー・チキンの比喩が良いです。
 著者の一番言いたかったことが、この辺りにあるのではないかと思いました。

 さて、本書には「続・考える技術・書く技術」という続編もあります。
 ところがこちらは絶版です。「三段階法」など良いことも書いてあるのですが。


続 考える技術・書く技術 (講談社現代新書 485)

続 考える技術・書く技術 (講談社現代新書 485)

  • 作者: 板坂 元
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1977/09/20
  • メディア: 新書



 ちなみに「三段階法」というのは、情報を三段階に分けて整理する方法です。
 三段階とは、ライフワーク、5~6年の中期目標、6か月内の短期目標です。

 私は本書の正編と続編で、初めて「ライフワーク」というものを知りました。
 このブログも、「世界文学史」を描くというライフワークを意識しています。

 さて、「知的生活」と言ったら、極めつけは「知的生活の方法」でしょう。
 渡部昇一は、板坂元に並ぶ、当時の私の最大のメンターのひとりでした。


知的生活の方法 (講談社現代新書)

知的生活の方法 (講談社現代新書)

  • 作者: 渡部 昇一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1976/04/23
  • メディア: 新書



 さいごに。(胸キュンセリフ)

 娘はラジオで、ジャニーズの誰かの、胸キュンセリフを聞いて喜んでいます。
 私がそのセリフをパクッて言ったところ、「やめて」と言われました・・・

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