ポポル・ヴフ [古代文学]
「マヤ神話 ポポル・ヴフ」 レシーノス著 林家永吉訳 (中公文庫)
グアテマラのキチェ族に伝わっていたマヤの神話が、16世紀に記録されたものです。
中公文庫版には、所々に美しい挿絵が入っています。新版はカラーの口絵入りです。
フン・フンアフブーとその弟に、地下の世界のシバルバーから、使者が来ました。
二人はシバルバーで殺され、フン・フンアフブーの首は一本の木につるされました。
すると一度も実らなかったその木に実が成りました。フンの首が実となったのです。
そしてその実は、それを見に来たイシュキックという少女に、語りかけました。
「この木にいっぱいなっている丸いものは、みなしゃれこうべなのだよ。」
少女が差し出した左手に、しゃれこうべが唾を吐くと、少女は身ごもって・・・
こうして生まれたのが、双子の英雄、フンアフブーとイシュバランケーです。
二人がシバルバーで、父の仇を殺す場面は、ちょっと喜劇的で面白いです。
この二人が、死んだり生き返ったりしている場面に、マヤ特有の死生観があります。
次のような残酷な風習も、マヤ特有の死生観から生まれるものかもしれません。
「トヒールは、彼の眼の前で、あらゆる部族の者たちの胸と腋の下を切り開き、心
臓をひっぱり出して、供犠(いけにえ)にせよと言っていたのであった。」(P225)
「捕まえてきた者は、トヒールとアヴォリシュの前ですぐ供犠にされた。
そして彼らは、その血を道に撒き流し、首をひとつずつ道に並べた。」(P244)
長い間口承されてきたマヤ神話「ポポル・ヴフ」は、1550年頃に文字化されました。
スペインの宣教師からローマ字を学んだ誰かが、キチェ語で書き留めたようです。
150年後にそれを発見した神父が、スペイン語訳したものの、埋もれてしまいました。
紆余曲折があり、レシーノスがそれを再発見したのは、さらに250年後のことでした。
現在「ポポル・ヴフ」を読めるのは、しかも文庫本で読めるのは、まさに奇跡です。
原住民の神話の多くは、宗教に悪影響を及ぼすものとされ、焼き捨てられたからです。
文庫本ではないけど、マヤとアステカに関するイラスト入りの興味深い本があります。
芝崎みゆきの「古代マヤ・アステカ不可思議大全」「遺跡へっぴり紀行」の二冊です。
さいごに。(シャインマスカット)
今人気のシャインマスカットを食べました。
娘が、誕生日にはケーキよりもシャインマスカットを食べたいと言ったので。
たしかにおいしかったです。それ以上に、粒が宝石のようにきれいでした。
でも、値段は高すぎですよ。私はケーキのほうがよかったなあ。
グアテマラのキチェ族に伝わっていたマヤの神話が、16世紀に記録されたものです。
中公文庫版には、所々に美しい挿絵が入っています。新版はカラーの口絵入りです。
フン・フンアフブーとその弟に、地下の世界のシバルバーから、使者が来ました。
二人はシバルバーで殺され、フン・フンアフブーの首は一本の木につるされました。
すると一度も実らなかったその木に実が成りました。フンの首が実となったのです。
そしてその実は、それを見に来たイシュキックという少女に、語りかけました。
「この木にいっぱいなっている丸いものは、みなしゃれこうべなのだよ。」
少女が差し出した左手に、しゃれこうべが唾を吐くと、少女は身ごもって・・・
こうして生まれたのが、双子の英雄、フンアフブーとイシュバランケーです。
二人がシバルバーで、父の仇を殺す場面は、ちょっと喜劇的で面白いです。
この二人が、死んだり生き返ったりしている場面に、マヤ特有の死生観があります。
次のような残酷な風習も、マヤ特有の死生観から生まれるものかもしれません。
「トヒールは、彼の眼の前で、あらゆる部族の者たちの胸と腋の下を切り開き、心
臓をひっぱり出して、供犠(いけにえ)にせよと言っていたのであった。」(P225)
「捕まえてきた者は、トヒールとアヴォリシュの前ですぐ供犠にされた。
そして彼らは、その血を道に撒き流し、首をひとつずつ道に並べた。」(P244)
長い間口承されてきたマヤ神話「ポポル・ヴフ」は、1550年頃に文字化されました。
スペインの宣教師からローマ字を学んだ誰かが、キチェ語で書き留めたようです。
150年後にそれを発見した神父が、スペイン語訳したものの、埋もれてしまいました。
紆余曲折があり、レシーノスがそれを再発見したのは、さらに250年後のことでした。
現在「ポポル・ヴフ」を読めるのは、しかも文庫本で読めるのは、まさに奇跡です。
原住民の神話の多くは、宗教に悪影響を及ぼすものとされ、焼き捨てられたからです。
文庫本ではないけど、マヤとアステカに関するイラスト入りの興味深い本があります。
芝崎みゆきの「古代マヤ・アステカ不可思議大全」「遺跡へっぴり紀行」の二冊です。
マヤ・アステカ遺跡へっぴり紀行 ――メキシコ・グアテマラ・ホンジュラス・ベリーズの旅
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2010/05/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
さいごに。(シャインマスカット)
今人気のシャインマスカットを食べました。
娘が、誕生日にはケーキよりもシャインマスカットを食べたいと言ったので。
たしかにおいしかったです。それ以上に、粒が宝石のようにきれいでした。
でも、値段は高すぎですよ。私はケーキのほうがよかったなあ。