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神話学入門 [哲学・歴史・芸術]

 「神話学入門」 大林太良(たりょう) (中公新書)(ちくま学芸文庫)


 ヨーロッパで発達した神話学について、分かりやすく整理して解説した入門書です。
 中公新書から1966年に出版されました。現在は、ちくま学芸文庫に入っています。


神話学入門 (中公新書 96)

神話学入門 (中公新書 96)

  • 作者: 大林 太良
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2020/07/15
  • メディア: 新書



神話学入門 (ちくま学芸文庫)

神話学入門 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 太良, 大林
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2019/03/08
  • メディア: 文庫



 著者はまず神話を、宇宙起源神話、人類起源神話、文化起源神話の三つに分けます。
 そのあと、それぞれの神話について、具体例を示しながら詳しく解説しています。

 たとえばジャワの人間創造神話など、未開人の神話には魅力的なものがあります。
 「ああ悲しい。私は女と一緒に生活できないが、女無しでも生活できない。」(笑)

 また、西アフリカのパングヴェ族には、エデン追放と似た内容の神話がありました。
 蛇(=ペニス)が男に、エボンの実(=女陰)を与えた結果、神は人類に死を・・・

 また、アフリカのロアンゴで行われる、火の儀式の紹介も興味深かったです。
 国民の前で交接させられた男女は、穴の中に突き落とされ、土をかぶせられて・・・

 と、魅力的な神話や儀式が紹介されている点で、この本は面白いです。
 ただ、内容が古い点と、書き方が学術的で味気ない点が、少し気になりました。

 著者は、当時の学説を、ひたすらまじめに整理分類することに力を注いでいます。
 「面白い話を共に楽しもう」というサービス精神は、ほとんど感じませんでした。

 実は、冒頭の第Ⅰ章が「神話研究の歩み」であり、40ページも費やされています。
 しかしこの部分は、あくび無しでは読めません。いきなり挫折しそうになりました。

 こういう研究史の部分は、私のような素人には必要なかったと思います。
 それよりも、もっとたくさんの面白い神話を、披露してほしかったです。

 第Ⅱ章「神話とはなにか?」も、神話と伝説と昔話の違いを説明しているだけです。
 本論は第Ⅲ章「神話の分類」からですよ。ここから読むことをオススメします。

 さて、著者の大林太良が中心となって、「世界神話事典」が編集されました。
 現在、角川ソフィア文庫から出ています。さっそく購入してしまいました。


世界神話事典 世界の神々の誕生 (角川ソフィア文庫)

世界神話事典 世界の神々の誕生 (角川ソフィア文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2012/10/04
  • メディア: Kindle版



世界神話事典 創世神話と英雄伝説 (角川ソフィア文庫)

世界神話事典 創世神話と英雄伝説 (角川ソフィア文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2012/12/17
  • メディア: Kindle版



 さいごに。(帰って来た「半沢直樹」)

 待ちに待った「半沢直樹」の続編、この7月になって、ようやく放送されました。
 第1回の15分拡大版も、面白すぎてあっという間でした。次回も楽しみです。

 今回は、「ロスジェネの逆襲」と「銀翼のイカロス」のドラマ化です。
 しまった! 「銀翼のイカロス」を読むのを忘れていた! 早々に読まなくては。

 「ロスジェネの逆襲」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2015-09-13

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神話の力2 [哲学・歴史・芸術]

 「神話の力」 J・キャンベル&B・モイヤーズ著 飛田茂雄訳 (ハヤカワ文庫)


 神話学の大家キャンベルと、ジャーナリストのモイヤーズとの、対談の記録です。
 インタビューが終わった翌年、キャンベルは亡くなり、これが遺作となりました。


神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2010/06/24
  • メディア: 文庫



 後半に入っても、キャンベルの語りはまったく衰えません。
 特に、「第五章 英雄の冒険」は、本書のクライマックスではないかと思います。

 ジョン・レノン、オデュッセウス、ブッダ、ヨナ、ジ-クフリート、テセウス、
 スフィンクス、ガウェイン、クロクォイ族の娘、そして、ダース・ベーダー・・・

 次から次にさまざまな英雄物語の主役と脇役が登場し、目まぐるしく展開します。
 TVシリーズで、この章が第1回で放送されたのは、やはり秀逸だったからでしょう。

 また、神話を語りながら生き方を語るというスタイルは、ますます冴えています。
 愛のために地獄も覚悟する「トリスタン」。続くキャンベルのコメントが良いです。

 「人が自分の無上の喜びに従ってどんな人生を選ぶとしても、それには、だれから脅
 されようがこの道から絶対に外れないという覚悟が必要です。そして、どんなことが
 起ころうとも、この覚悟さえあれば、人生と行動は正当化されます。」(P398)

 行動を正当化するのは、その人の覚悟であると言う。これはユニークな教えでした。
 この本をとても味わい深くしているのは、きっとキャンベルの人柄の魅力でしょう。

 第四章で語られる学生時代の思い出話が、またすばらしい。それは1929年のこと。
 「当時はほんとに職がなかったんです。私にとってはすばらしい時期でしたよ。」

 5年間職に就けなかった彼は、この時期に読書をしまくりました。至福の時でした。
 そういう至福の時には、隠れた手に助けられている感じを、たびたび受けたと言う。

 「それは、もし自分の至福を追求するならば、以前からそこにあって私を待っていた
 一種の軌道に乗ることができる。そして、いまの自分の生き方こそ、私のあるべき生
 き方なのだ、というものです。そのことがわかると、自分の至福の領域にいる人々と
 出会うようになる。その人たちが、私のために扉を開いてくれる。」(P262)

 「心配せずに自分の至福を追求せよ、そうしたら思いがけないところで扉が開く」
 ここで語られたこの言葉は、現在私の座右の銘になっています。

 「自分にとっての至福を追求せよ」「やりたいことは何でも徹底的にやれ」
 そういうメッセージを発信するキャンベルは、間違いなく魅力的な先生だったはず。

 さて、同じハヤカワ文庫から、「千の顔をもつ英雄(新訳版)」が出ています。
 キャンベルの若き日の出世作です。遺作の「神話の力」より40年も前に出ました。


千の顔をもつ英雄〔新訳版〕上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

千の顔をもつ英雄〔新訳版〕上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2015/12/18
  • メディア: 文庫



 また、角川ソフィア文庫からは、「生きるよすがとしての神話」が出ています。
 こちらも「神話の力」並みに面白いという評判です。読んでみたいです。


生きるよすがとしての神話 (角川ソフィア文庫)

生きるよすがとしての神話 (角川ソフィア文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2016/11/25
  • メディア: Kindle版



 さいごに。(コロナ太り解消せず)

 私もまた、コロナ太りになったひとりです。おなかの脂肪が邪魔で邪魔で・・・
 家で時々筋トレをしますが、以前よりずっとキツイので、なかなか長続きしません。

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神話の力1 [哲学・歴史・芸術]

 「神話の力」 J・キャンベル&B・モイヤーズ著 飛田茂雄訳 (ハヤカワ文庫)


 神話学の大家キャンベルと、ジャーナリストのモイヤーズとの、対談の記録です。
 1985年から1986年にかけてTV番組のために撮影され、のちに出版されました。


神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2010/06/24
  • メディア: 文庫



 「古代から伝えられた様々な神話は、人生を支え、文明を築き、数千年にわたって
 宗教を伝えてきました。神話は人間の奥深くにあるもの、人間の内なる神秘と関わ
 っています。」(TVシリーズ第2回)

 本書は、キャンベルが世界の神話について語り尽くした、実に興味深い対談集です。
 長年神話学に携わってきたからこその、含蓄ある言葉と、鋭い洞察に満ちています。

 特に、神話は森羅万象の奥深くに潜む神秘と関わる、との指摘は印象に残りました。
 神話というものに対する見方が、まったく変わりました。まさに瞠目の書です。

 「神話は世界の目を神秘に向かって開き、あらゆる物象の底にある神秘の認識へと
 人々を導きます。その認識を失った人は神話を持つことができません。」(P94)

 まだ半分ほどしか読んでいませんが、パラパラ見返すのに時間がかかりました。
 というのも、線を引いた箇所が多すぎるので。線を引いてないページなんて、無い!

 私の友は、本に付箋を貼っていったら、分厚くなってしまったと言う。そりゃそうだ。
 私が特に気に入ったフレーズは、「まえがき」だけでも、これだけあるのですから。

 「『あらゆる苦しみや悩みの隠れた原因は』とキャンベルは言った。
 『生命の有限性であり、それが人生の最も基礎的な条件なのだ。・・・』」(P22)

 「宗教や戦争から愛、死に至るまで、今日の生活の多くを儀式化し、神話化する必
 要があるんだ」(P25)

 「『人生の意味の探求が必要だということですね』と私はたずねた。
 『そうじゃない。生きているという経験を求めることだ』」(P29)

 「生命体の本質は、それが他のものを殺して食べることにある。それこそ神話が扱
 うべき偉大な神秘だ」(P30)

 「神に対してわれわれが与える名前とイメージのすべては、当然のことながら、言
 語と芸術を超越した究極的実在を暗示する仮面だ」(P32)

 さらに、この本は、単なる神話の解説ではありません。彼は時に、人生を語ります。
 しかも、とても魅力的な言葉で。この本の魅力は、この点にもあります。

 「唯一の正しい知恵は人類から遠く離れたところ、はるか遠くの大いなる孤独のなか
 に住んでおり、人は苦しみを通じてのみそこに到達することができる。」
 (P22 エスキモーのシャーマンの言葉)

 本編に入ってからは、すばらしい言葉が、紹介しきれないほど次々と出てきます。
 ここではひとつだけ、本を読む喜びについて語った言葉を紹介しましょう。

 「部屋に座って本を読むーーひたすら読む。然るべき人たちが書いたまともな本です
 よ。すると知性がその本と同じ高さまで運ばれ、あなたはそのあいだずっと、穏やか
 な、静かに燃える喜びを感じ続けるでしょう。こういう生命の自覚は、あなたの日常
 生活のなかで常に持てるはずです・・・」(P220)

 さて、この対談は全6回のシリーズでまとめられ、TVで放映されました。
 日本でも放送されたのですが、その動画がユーチューブで見られました。

 時間があれば、本を読む前に動画を見た方がいいです。理解しやすくなるので。
 ただし、番組は、本と違う順序で語られるため、少しだけ注意が必要ですが。

 ちなみに私がとても興味深く感じたのは、TVシリーズ第3回「古代の語り部」です。
 この中でキャンベルは、古代の狩猟の意味について、面白いことを指摘しています。

 動物と人間には絆がある、動物は人間のために、すすんで命を捧げてくれている・・・
 動物は神の使者である、狩猟は神を殺す儀式でもある・・・

 さいごに。(いつ入る?10万円)

 いろんな人が、「10万円入った」と言い始めました。
 でも、うちはまだです。郵送した書類に不備があって送り直したため。とほほ・・・

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世界史(上) [哲学・歴史・芸術]

 「世界史(上)」 マクニール著 増田義郎・佐々木昭夫訳 (中公文庫)


 人間の歴史の流れを大きくとらえていて、とても分かりやすい世界史の入門書です。
 世界で40年間読まれ続けてきた名著として、最近大きな話題になりました。


世界史 上 (中公文庫 マ 10-3)

世界史 上 (中公文庫 マ 10-3)

  • 作者: ウィリアム・H. マクニール
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2008/01/25
  • メディア: 文庫



 本書の特徴は、文明の興隆のパターンを意識して解説している点です。
 序文で、本書の基本的な考え方が次のように示されています。

 「いついかなる時代にあっても、世界の諸文化間の均衡は、人間が他にぬきんでて
 魅力的で強力な文明を作りあげるのに成功したとき、その文明の中心から発する力
 によって攪乱される傾向がある、ということだ。」(P36)

 本書では、まずその攪乱の中心を研究し、次にその周囲の反応を考察しています。
 読んでいて「なぜそうなったのか」がよく分かって、とても興味深い内容でした。

 特に私が面白く思ったのは、最初期の文学である神話の誕生を説明した部分です。
 神官たちとの関りから、次のように説明しています。

 神官は天体運動を観察して暦を作り、その知識のおかげで際立った地位を占めた。
 一般人からすると、季節を予言できる神官は、神と特別な関係にあるように見えた。

 神官は神の知識を持ち、神聖な儀式で神をなだめ喜ばせることができると思われた。
 そして神官は、人間や自然について説明するために、神話を作り上げたのだった。

 のちにシュメルの神官は、楔形文字の発明によって、記録を残せるようになった。
 紀元前3000年以降、神話や神々への祈りを、書き残すことができるようになった。

 さて、シュメルが滅びた後も、シュメルの神話は生き続けました。
 それは、インド・ヨーロッパ語族によって形を変えて継承され、広められたようです。

 インド・ヨーロッパ語族の神々と、シュメルの神々には、大雑把な類似が見られます。
 たとえば、この宇宙は神々の気まぐれによって治められている、という世界観など。

 しかしギリシアで、世界は規則的な法則で成り立っているという考え方が生じました。
 最初の哲学者たちは、神々の代わりに自然法則を使って世界を説明しようとしました。

 「ここにこそ、後世のすべてのヨーロッパ思想が、尽きることのない成長の道を歩む
 原点が存在するのである。」と、著者は多少誇らしげに述べています。(P178)

 ところで、著者はこの本の特徴として「きわめて短いこと」という点を挙げています。
 しかし、高校の教科書と比べたとき、十分すぎるボリュームがあると感じました。

 読んでいるときは「ナルホド!」と思うのですが、情報量が多くてどんどん忘れます。
 最後には、「で、結局なんだった?」と考えてしまいました。

 また、読むのにとても時間がかかるため、このまま読み進めるのは困難です。
 下巻も買ってありますが、そのまま永遠に積ん読状態になりそうです。

 さいごに。(プリンターのインク)

 うちでは、ブラザーのプリンターを使っていますが、インクは互換用を使っています。
 互換用インクだと、五分の一ぐらい残っていても、プリンターが止まってしまいます。

 これは無駄のような気がしますが、純正のインクなんてとても使えません。
 純正はセットで5000円ほど。互換用は500円ちょい。メーカーは価格を下げる努力を!

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ツァラトゥストラ2 [哲学・歴史・芸術]

 「ツァラトゥストラ(下)」 ニーチェ作 丘沢静也訳 (光文社古典新訳文庫)


 「超人」「永劫回帰」などニーチェの後期思想を述べた、小説的形態の哲学書です。
 上巻には第1部と第2部が、この下巻には第3部と第4部が収録されています。


ツァラトゥストラ〈下〉 (光文社古典新訳文庫)

ツァラトゥストラ〈下〉 (光文社古典新訳文庫)

  • 作者: フリードリヒ ニーチェ
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2011/01/12
  • メディア: 文庫



 第3部に入ると、いよいよ永劫回帰の思想が徐々に語られます。
 しかし、その内容がよく分からない。何度読んでもよく分からない。

 「みんな、すでに存在していたにちがいないんじゃないか? そしてまた、戻ってく
 るにちがいないんじゃないか? 向こう側に、もうひとつ道が見えるが、その恐ろし
 い道を走って、―くり返し永遠に戻ってくるにちがいないんじゃないか?」(P25)

 「なにもかもが行って、なにもかもが戻ってくる。存在は輪のように永遠に回る。何
 もかもが死に、何もかもが花をまた咲かせる。存在は年のように永遠にくり返す。」
 (P157)

 「すべてのものごとが永遠に回帰する。ぼくらもいっしょに回帰する。ぼくらは無限
 回、存在していた。すべてのものごともぼくらといっしょに存在していた。」(P163)

 これでは、具体的なイメージが湧きません。言葉足らずで、説明不足です。
 もしかしたら、仏教などでおなじみの輪廻転生のイメージでいいのでしょうか?

 詳しく知るためには、「この人を見よ」など他の著作を読まなくてはならないらしい。
 要するにこれは不完全(?)であって、当時の読者が困惑したのも無理ないです。

 最後の「ツァラトゥストラの歌」も、意味が分からないです。
 おそらくこの言葉の中に、「ツァラトゥストラ」のテーマが潜んでいるはずですが。

 おお、人間よ! 気をつけろ!
 深い真夜中が何を語っているか?
 「私は眠っていた。眠っていた。― 
 深い夢から私は目覚めた。―
 この世界は深い。 
 昼が考えたよりも深い。―
 喜びのほうが―深い悩みよりも深い。 
 嘆きが言う。『消えろ!』と。
 だがすべての喜びが永遠をほしがっている。―
 ― 深い、深い永遠をほしがっている!」 

 意味がありそうで無さそうな歌です。
 私にはこういう思わせぶりな歌よりも、次のような単純な言葉が印象に残りました。

 「豚にとっては、すべてが豚だ!」(ツァラトゥストラの言葉)
 「この世は、巨大な糞なのです」(ある夢想家の言葉)

 私は「ツァラトゥストラ」を、小説として気軽に読み始めて失敗しました。
 この作品は小説っぽい哲学書です。それなりの心構えをもって読む必要があります。

 さいごに。(健康診断)

 毎年8月に人間ドックをおこなっています。
 今年も腎機能に低下が見られるという診断でした。酒を飲んでいないのになぜ?

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ツァラトゥストラ1 [哲学・歴史・芸術]

 「ツァラトゥストラ(上)」 ニーチェ作 丘沢静也訳 (光文社古典新訳文庫)


 「超人」「永劫回帰」などニーチェの後期思想を述べた、小説的形態の哲学書です。
 ニーチェの主著のひとつであり、「神は死んだ」という言葉はとても有名です。


ツァラトゥストラ(上) (光文社古典新訳文庫)

ツァラトゥストラ(上) (光文社古典新訳文庫)

  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2010/11/20
  • メディア: Kindle版



 10年間隠者として過ごしていたツァラトゥストラが、山を下りる決心をしました。
 時に彼は40歳。最初の町に着くと、市場に集まる人々に向かい演説を始めました。

 「超人というものを教えてあげよう。人間は、克服されるべき存在なのだ。
 君たちは人間を克服するために、何をしてきた?」・・・・

 さて、このあいだまで「ドン・キホーテ」を読んでいたので、ツァラトゥストラと
 ドン・キホーテが重なって見えてしまいました。ある意味どちらも道化的存在です。

 ドン・キホーテは、旅の先々で、もっともらしいたわごとを吐き散らしていました。
 ツァラトゥストラは、山を下りて、人を煙に巻くようなことばかりを言っています。

 「超人とは、この地上の意味のことだ。君たちの意志は、つぎのように言うべきだ。
 超人よ、この地上であれ、と!」

 「ほら、超人のことを教えてあげよう。超人とは、この海のことだ。この海に君たち
 は、大いなる軽蔑を沈めることができる。」

 「ほら、超人のことを教えてあげよう。超人とは、この稲妻のことだ。超人とは、こ
 の狂気のことだ!」

 ・・・で、超人って、いったい何なの?
 冒頭の前口上からこんな具合なので、わずか30ページで投げ出してしまいました。

 本書を読むと元気が出ると聞いていましたが、逆にげんなりしてしまいましたよ。
 酔っぱらったおっさんに、訳の分からない言葉を次々と投げつけられているみたいで。

 しかし、ある人が、「理解しようと思わなくていい」とアドバイスしてくれました。
 理解しようとせず、時々一人でツッコミながら読んでいくと、面白いのだそうです。

 「君たちの善人がもっている多くの点に、俺は吐き気がする。俺が望むのは、君たち
 の善人が狂気を持つことによって、破滅することなのだ。」(はあ?)

 「そんなことを説いている君たちが、人生をやめてみたらどうだ! 生きることが、
 悩むことにほかならないなら、生きることをやめてみたらどうだ!」(わお!)

 「もしも神が存在するのなら、俺は自分が神でないことに、どうやって耐えられよう
 か! だから神なんて存在しないのだ。」(何言ってんの?)

 「人間はどんどん戦争をして、もっと不平等になるべきだ。俺にそう言わせるのは、
 俺の大きな愛である!」(あはは・・・アホか!)

 ともかく上巻の最後までたどりつきました。
 だんだん頭の奥がシビレてくるのを感じます。下巻もちょっと楽しみです。

 さいごに。(夏休みも早起き)

 娘の部活は、夏休みは暑いので、朝7時半から練習を始めて、11時前に終わります。
 そのため、夏休みの間も、朝は5時台に起きて、家を6時台に出ていきます。

 夏休みだからといって、寝坊をすることができません。夜更かしもできません。
 生活習慣が乱れないので、とてもいいことだと思います。

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齋藤孝のざっくり!世界史 [哲学・歴史・芸術]

 「齋藤孝のざっくり!世界史」 齋藤孝 (祥伝社黄金文庫)


 5つのキーワードを核に、細かいことを脇に置いて、流れをたどった歴史本です。
 キーワードは、「近代化」「帝国」「欲望」「モンスター」「宗教」の5つです。


齋藤孝のざっくり!世界史 (祥伝社黄金文庫)

齋藤孝のざっくり!世界史 (祥伝社黄金文庫)

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2011/12/14
  • メディア: 文庫



 キーワードごと5章に分けられていますが、全ての章に驚きがありました。
 私的に特に面白かったのは、第1章の「近代化」と第5章の「宗教」です。

 「実は、ヨーロッパの柱とは古代ギリシア・ローマなのです。」(P16)
 加速せずにはいられない近代化の源を、なんと、古代地中海文明に求めています。

 それは、当時そこで民主主義が生まれ、人間中心の社会が営まれていたからです。
 民主主義が機能していた時代は、人間の合理性や明晰性が重視されていました。

 しかし中世、神が世界を支配していた頃、合理性や明晰性は押しつぶされました。
 それを、古代ギリシア・ローマをお手本に復活させたのが、ルネサンス期でした。

 神より人間が勝っていくこの時期、人間の合理性と明晰性が再び重視されました。
 やがてそれは巨大なパワーとなり、近代化を促し、全世界を吞みこんでいきます。

 近代の人間中心社会において、人間は自信を回復し、あらゆることに挑戦し・・・
 人間が近代合理主義を推し進めた結果、人間は管理社会に隷属するようになり・・・

 と、とても分かりやすく「ざっくり」まとめられています。
 しかし、これは本書の最初の、ほんのわずかな部分です。

 ほかにも、「軍隊や資本の独占ではなく、知の独占こそが権力そのものだ」とか、
 「知の源泉である聖書を独占したからこそ、中世の教会は全てを支配できた」とか。

 「教会から民衆に知を取り戻そうとしたのが、ルターの宗教改革の意味だ」とか、
 「だから、ルターが聖書をラテン語からドイツ語に訳した意味は大きい」とか・・・

 文字を独占する者が、知を独占する。知を独占する者が、文化を独占する。
 と、私は漠然とイメージしていましたが、これらの記述はとても参考になりました。

 さて、私がこの本で参考になった最大の点は、その書き方です。
 一つのテーマに絞って、ざっくりと世界史の流れを鷲づかみにする、その手法です。

 私は月1回のペースで、「世界文学の歴史をざっくりとつかむ」を連載しています。
 しかし考えるうちに、書きたいことが次々と湧き出てきて、ざっくりと書けません。

 8回の連載を振り返ると、ただ世界文学史をたどっているだけになっています。
 これではもう一度全てひっくるめて、ざっくり書き直さなければならない(笑)。

 齋藤孝だったら、いったいどんなふうに書いたでしょうか・・・
 ざっくり!シリーズは他に、「日本史」「西洋哲学」「美術史」などが出ています。


齋藤孝のざっくり!日本史 「すごいよ!ポイント」で本当の面白さが見えてくる (祥伝社黄金文庫)

齋藤孝のざっくり!日本史 「すごいよ!ポイント」で本当の面白さが見えてくる (祥伝社黄金文庫)

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2010/08/31
  • メディア: 文庫



齋藤孝のざっくり! 西洋哲学  ソクラテスからマルクス、ニーチェまでひとつかみ (祥伝社黄金文庫)

齋藤孝のざっくり! 西洋哲学 ソクラテスからマルクス、ニーチェまでひとつかみ (祥伝社黄金文庫)

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2017/03/15
  • メディア: 文庫



齋藤孝のざっくり! 日本史

齋藤孝のざっくり! 日本史

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2007/11/30
  • メディア: 単行本



 さいごに。(トルコ至宝展より・・・)

 年度末、ばたばたしていて、仕事がなかなか片付かず、持ち帰りも多いです。
 しかし、妻オススメの「トルコ至宝展」のため、家族で東京に出るつもりです。

 ついでに、サンシャイン水族館まで行き、「空飛ぶペンギン」を見たいです。
 娘が昨年、修学旅行で行きたかった場所です。我々には、こちらがメインかも。

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ふしぎなキリスト教 ほか [哲学・歴史・芸術]

 「ふしぎなキリスト教」 橋爪大三郎・大澤真幸 (講談社現代新書)


 二人の知識人の対談によって、キリスト教について分かりやすく解説した著書です。
 2011年の刊行後に話題となり、ちょっとしたキリスト教ブームを巻き起こしました。


ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)

ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)

  • 作者: 橋爪 大三郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/05/18
  • メディア: 新書



 主に大澤が問いかけ、橋爪が答えています。対談なのでとても分かりやすいです。
 内容は、次のような三部構成です。

 第1部 一神教を理解する(主に一神教の解説)
 第2部 イエス・キリストとは何か(主にイエスの解説)
 第3部 いかに「西洋」をつくったか(歴史に与えたインパクトについて)

 特に第2部のイエス・キリストについて踏み込むところは、スリリングです。
 二人は、この辺りのことを一番語り合いたかったのではないか、と思いました。

 イエスは実在したのか? イエスは神の子か? イエスはなぜ処刑されたのか?
 イエスは自分が復活することを知っていたのか? イエスの死と復活の意味は?

 神の子であるイエスの死が、全人類の罪の贖いとなるのはどうしてか?
 この問いに、「同害報復」の観点から説明する場面は、まさに圧巻でした。

 更に、アブラハムにおけるイサクの犠牲が、イエスの犠牲に対応しているとか、
 ユダの裏切りは神の計画であったとか、「ユダの福音書」だとか驚きの連続です。

 時には「イエスの言っていることは違うと思う」と、はっきり指摘したりします。
 様々な疑問に対して、怖気ることなく、真正面から答えている点がすばらしい。

 この本については、のちに多くの批判の書が出ました。
 しかしそれは、それだけこの本が刺激に満ちていた証拠です。

 なお、キリスト教の暗黒面に注目した本が、「キリスト教暗黒の裏面史」です。
 異端審問、異教徒虐殺、芸術破壊、焚書、十字軍の暴行、そして魔女裁判・・・

 「キリスト教の教えが広まってからというもの、何百万という無実の男女や子供
 が火あぶりにされ、拷問され、罰金を科され、投獄されてきた。けれども、私た
 ちは一インチたりとも統一に向かって進んではいない。では、いったい圧政は何
 をもたらしたのか? 世界の半分の人が愚者に、残りの半分が偽善者に変わって
 しまった。」(P236・トマス・ジェファソンの言葉)

 歴史上の人物の生々しい証言が多数引用されていて、信頼できる確かな内容です。
 ただし信者の方は不快に感じるでしょう。誰にでも勧められる本ではありません。


キリスト教暗黒の裏面史 (徳間文庫)

キリスト教暗黒の裏面史 (徳間文庫)

  • 作者: ヘレン エラーブ
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2004/12
  • メディア: 文庫



 さいごに。(コロボックル・ヒュッテ)

 夏休みに、家族で、信州の車山を訪れました。
 コロボックル・ヒュッテで迎えた朝は、本当に素晴らしくて忘れられません。

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全世界史2 [哲学・歴史・芸術]

 「全世界史(下)」 出口治明 (新潮文庫)


 西洋史と東洋史を総合し、人類5000年の歴史を縦横無尽に語った新しい試みです。
 以前「全世界史講義Ⅱ」として出ていた単行本の文庫化で、近世・近代編です。


全世界史 下巻 (新潮文庫)

全世界史 下巻 (新潮文庫)

  • 作者: 出口 治明
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/06/28
  • メディア: 文庫



 人類5000年の歴史を「一本の流れとして見つめて」いるところに、特徴があります。
 下巻では、第五千年紀後半から(16世紀ぐらいから)の流れを解説しています。

 下巻でも、目から鱗が落ちるような指摘が出て来て、読んでいてワクワクしました。
 たとえば以下のような指摘はとても興味深かったです。(ネタバレが多いです)

 明時代の「鄭和の大艦隊」が無くなって、ポルトガル船がインドに入ってきた。
 こうして始まったのが大航海時代だが、鄭和艦隊に比べたら小航海とでも言うべき。

 大航海時代は大西洋航路が開かれたため、大西洋に面した国が覇権国家となった。
 地中海の重要でなくなり、イタリア・ルネサンスはイタリア最後の輝きとなった。

 ロレンツォは、メディチ家の富が底を突こうとしていることに気づいていた。
 そこで、思い切って公金まで流用して、最後の花を咲かせようとしたのではないか。

 スペインはレコンキスタを完成させると、ユダヤ人追放を始めたため貧しくなった。
 有能な人材は出てゆき、日の沈まぬ国と讃えられていた頃、とうとう国庫破産した。
 追われたユダヤ人を受け入れたコンスタンティノープルは、逆に栄えていった。

 それまでのヨーロッパは、東方への窓が常にオープンで、遊牧民が侵入してきた。
 鉄砲の壁でユーラシア草原の道を閉ざして初めて、ヨーロッパという概念が生じた。

 ところが19世紀ぐらいからは、内容が多岐にわたって、事項の羅列になっています。
 もっとざっくりでいいので、様々な事件の横のつながりを、感じ取りたかったです。

 うたい文句に「徹夜一気読み必至」とありますが、それができる人は相当な人です。
 私は、何度も立ち止まって頭を整理しなければ、混乱して次に進めなかったです。

 とはいうものの、この本の取り組みはユニークで、学ぶべきことは多かったです。
 たとえば終章では、著者の歴史に対する熱い思いが表れています。

 「人間社会とはいつの世にあっても、歪なかけらが集まって、一つの安定状態を形
 成するものなのです。/したがって、どのようなシステムや制度であっても、『個
 個の歪さ』ではなく、『全体として見たときに、比較的丸く収まっているかどうか』
 が決定的に重要です。」(P455)

 なるほど、と思わされました。
 ちくま新書から出ている増補版「人類5000年史Ⅰ」も、迷わず買ってしまいました。


人類5000年史I: 紀元前の世界 (ちくま新書)

人類5000年史I: 紀元前の世界 (ちくま新書)

  • 作者: 出口 治明
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2017/11/08
  • メディア: 新書



 なお、「全世界史」を読んで、歴史に果たす宗教の役割の大きさを痛感しました。
 特に、西洋の発展とキリスト教の歴史は、たいへん興味深かったです。

 以前読んだ「ふしぎなキリスト教」でも、その点で興味深い指摘がありました。
 近代化は、キリスト教由来の文物を、人々が受け入れた過程であるとか・・・


ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)

ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)

  • 作者: 橋爪 大三郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/05/18
  • メディア: 新書



 さいごに。(御射鹿池=みしゃかいけ)

 夏の旅行で、東山魁夷「緑響く」のモデルと言われる、御射鹿池に行きました。
 本当に美しかった。水面に映る緑が幻想的で、神秘的な雰囲気が漂ってました。

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漫画版 世界の歴史1 [哲学・歴史・芸術]

 「漫画版 世界の歴史」 (集英社文庫)


 集英社版の学習漫画「世界の歴史」を、大人向けに文庫化し再編集したものです。
 20巻だった学習漫画を全10巻にまとめ、金額は6480円とお手頃になりました。


漫画版 世界の歴史 全10巻セット (漫画版 世界の歴史) (集英社文庫)

漫画版 世界の歴史 全10巻セット (漫画版 世界の歴史) (集英社文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2009/05/25
  • メディア: 文庫



 どの出版社の学習漫画「世界の歴史」を購入するか。それが一つの課題でした。
 目的は主に、小学6年生に娘に読ませたかったからです。

 集英社文庫の漫画版「世界の歴史」を選んだのは、第一に、文庫本だからです。
 文庫本好きの私にとっては、なんといってもそれが最も大きなポイントでした。

 コンパクトで場所を取らず、比較的安く手に入ることは、文庫本の美徳です。
 たとえばこれが単行本だと、大きさは倍以上、値段は3倍以上にもなります。

 また、集英社のものは、内容に信頼がおけることも、大事なポイントでした。
 ビリギャルの坪田先生は、「世界の歴史」については集英社を勧めていました。
 (ビリギャルの流行以後、巷では坪田式が、ひとつの基準になっています。)

 さて、3巻まで読んでみましたが、世界史の大きな流れがよくわかりました。
 また、改めてイラストの力を知りました。絵によって人物が印象に残りました。

 時に、架空の人物が活躍して、実在の人物のように見える点が玉にキズでした。
 第3巻のヴェネツィア商人エンリコと息子の物語は、やけに印象に残って・・・

 また、活字が小さいため読みにくかったです。縮小されているから当然ですが。
 しかし、老眼の私にはこれは痛かったです。小説以上に、目が疲れました。

 さて、第1巻は「ペルシア帝国とローマ帝国」で、古代ヨーロッパを描いていて、
 第2巻は「三国志と唐の繁栄」で、古代中国を描いています。

 第3巻の「十字軍とイスラーム」では、中世の東洋と西洋の交流を描いています。
 という具合に、巻の構成も、しっかりと考えられています。

 では、娘はどういう点を大事にしているかというと、絵の好みなのです。
 どんなに内容が良くても、絵が好みでないと、読む気が起きないのだそうです。

 ちなみに、娘は第1巻の最初をちょこっと読んだだけで、放ってあります。
 絵の好みが合わなかったのか? できるだけ読んでくれるといいのだけど。

 さいごに。(「日本の歴史」は?)

 学習漫画「日本の歴史」については、集英社版はダメなのだそうです。
 坪田先生は、小学館の「少年少女 日本の歴史」を、強く勧めていました。

 しかも、最新版は内容が薄まったから、旧版の方がいい、と書いてあるらしい。
 しかし、小学館は、最新版で内容が薄まったのは他社の製品だと言っています。


学習まんが少年少女日本の歴史(23冊セット)

学習まんが少年少女日本の歴史(23冊セット)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1998/02/24
  • メディア: 単行本



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