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ツァラトゥストラ1 [哲学・歴史・芸術]

 「ツァラトゥストラ(上)」 ニーチェ作 丘沢静也訳 (光文社古典新訳文庫)


 「超人」「永劫回帰」などニーチェの後期思想を述べた、小説的形態の哲学書です。
 ニーチェの主著のひとつであり、「神は死んだ」という言葉はとても有名です。


ツァラトゥストラ(上) (光文社古典新訳文庫)

ツァラトゥストラ(上) (光文社古典新訳文庫)

  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2010/11/20
  • メディア: Kindle版



 10年間隠者として過ごしていたツァラトゥストラが、山を下りる決心をしました。
 時に彼は40歳。最初の町に着くと、市場に集まる人々に向かい演説を始めました。

 「超人というものを教えてあげよう。人間は、克服されるべき存在なのだ。
 君たちは人間を克服するために、何をしてきた?」・・・・

 さて、このあいだまで「ドン・キホーテ」を読んでいたので、ツァラトゥストラと
 ドン・キホーテが重なって見えてしまいました。ある意味どちらも道化的存在です。

 ドン・キホーテは、旅の先々で、もっともらしいたわごとを吐き散らしていました。
 ツァラトゥストラは、山を下りて、人を煙に巻くようなことばかりを言っています。

 「超人とは、この地上の意味のことだ。君たちの意志は、つぎのように言うべきだ。
 超人よ、この地上であれ、と!」

 「ほら、超人のことを教えてあげよう。超人とは、この海のことだ。この海に君たち
 は、大いなる軽蔑を沈めることができる。」

 「ほら、超人のことを教えてあげよう。超人とは、この稲妻のことだ。超人とは、こ
 の狂気のことだ!」

 ・・・で、超人って、いったい何なの?
 冒頭の前口上からこんな具合なので、わずか30ページで投げ出してしまいました。

 本書を読むと元気が出ると聞いていましたが、逆にげんなりしてしまいましたよ。
 酔っぱらったおっさんに、訳の分からない言葉を次々と投げつけられているみたいで。

 しかし、ある人が、「理解しようと思わなくていい」とアドバイスしてくれました。
 理解しようとせず、時々一人でツッコミながら読んでいくと、面白いのだそうです。

 「君たちの善人がもっている多くの点に、俺は吐き気がする。俺が望むのは、君たち
 の善人が狂気を持つことによって、破滅することなのだ。」(はあ?)

 「そんなことを説いている君たちが、人生をやめてみたらどうだ! 生きることが、
 悩むことにほかならないなら、生きることをやめてみたらどうだ!」(わお!)

 「もしも神が存在するのなら、俺は自分が神でないことに、どうやって耐えられよう
 か! だから神なんて存在しないのだ。」(何言ってんの?)

 「人間はどんどん戦争をして、もっと不平等になるべきだ。俺にそう言わせるのは、
 俺の大きな愛である!」(あはは・・・アホか!)

 ともかく上巻の最後までたどりつきました。
 だんだん頭の奥がシビレてくるのを感じます。下巻もちょっと楽しみです。

 さいごに。(夏休みも早起き)

 娘の部活は、夏休みは暑いので、朝7時半から練習を始めて、11時前に終わります。
 そのため、夏休みの間も、朝は5時台に起きて、家を6時台に出ていきます。

 夏休みだからといって、寝坊をすることができません。夜更かしもできません。
 生活習慣が乱れないので、とてもいいことだと思います。

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