失われた時を求めて3 [20世紀フランス文学]
「抄訳版 失われた時を求めてⅡ」 プルースト作 鈴木道彦編訳 (集英社文庫)
自分の中に埋もれている「失われた時」を掘りおこし、紡ぎ直した人生の物語です。
Ⅱ巻は、第三篇「ゲルマントの方」と第四篇「ソドムとゴモラ」を収録しています。
ヴィルパリジ侯爵夫人の紹介で、「私」たちの一家は、パリに引っ越してきました。
ゲルマント侯爵邸の一角にあるアパルトマンに、移り住むことになったのです。
こうしてはからずも「私」は、ゲルマント家という大貴族の隣人となりました。
オペラ座で見かけてからは、「私」はゲルマント侯爵夫人に憧れるようになりました。
偶然を装って侯爵夫人に会って挨拶したり、迷惑がられてそっけなくされたり・・・
サン・ルーにとりなしを頼んだり、侯爵夫人と隣席しながら何も話せなかったり・・・
抄訳版も第Ⅱ巻に入りました。相変わらず遅々として、なかなか物語は進みません。
この長大な小説は、余程暇な人でないと書けないし、読めないのではないでしょうか。
「暇を持て余している人が、暇を持て余している人のために書いた小説」ですよ。
と言いつつ、岩波文庫の完訳版をすでに4巻購入してあります。老後の楽しみです。
ところで、時々ドキンとする表現に出会います。
次のような表現から、ゲルマント夫人への憧れがどのようなものかがよく分かります。
「ゲルマント夫人は、もう坐っていた。名前には侯爵夫人という称号が備わっているた
めに、現実の夫人の身体も侯爵領をひきずっており、それが周囲に投影されて、サロン
の真ん中で彼女が腰をおろしているクッションのまわりには、金色の光のさしこむゲル
マントの森のさわやかな木陰が広がっていた。」(P112)
さて、この巻の前半では、サロンにおける上流階級の人々の描写が読みどころでした。
後半は、いよいよ「ソドムとゴモラ」。ある意味、最も面白い場面かもしれません。
シャルリュス男爵とチョッキ職人のジュビヤンは、初めて会った途端見つめ合い・・・
直後にジュビヤンは、どのようなポーズをとったか? そして二人はどうしたか?
シャルリュス男爵が、軍の演奏家のモレルを呼び戻すために使った計略は・・・
P398からの、ソドミストが道化的に描かれている「偽りの決闘」の場面は、傑作です。
さて、「まんがで読破」シリーズの「失われた時を求めて」は、現在絶版。惜しい!
あの途方もなく長い小説を、非常に要領よくまとめています。構成がうまいです。
さいごに。(紅白出場よかったね)
Hey! Say! JUMPが、昨年に続いて今年も紅白出場が決まり、娘は喜んでいます。
「ヒット曲がないのになぜ出られるの?」と聞いたら、娘に本気で怒られました。
自分の中に埋もれている「失われた時」を掘りおこし、紡ぎ直した人生の物語です。
Ⅱ巻は、第三篇「ゲルマントの方」と第四篇「ソドムとゴモラ」を収録しています。
ヴィルパリジ侯爵夫人の紹介で、「私」たちの一家は、パリに引っ越してきました。
ゲルマント侯爵邸の一角にあるアパルトマンに、移り住むことになったのです。
こうしてはからずも「私」は、ゲルマント家という大貴族の隣人となりました。
オペラ座で見かけてからは、「私」はゲルマント侯爵夫人に憧れるようになりました。
偶然を装って侯爵夫人に会って挨拶したり、迷惑がられてそっけなくされたり・・・
サン・ルーにとりなしを頼んだり、侯爵夫人と隣席しながら何も話せなかったり・・・
抄訳版も第Ⅱ巻に入りました。相変わらず遅々として、なかなか物語は進みません。
この長大な小説は、余程暇な人でないと書けないし、読めないのではないでしょうか。
「暇を持て余している人が、暇を持て余している人のために書いた小説」ですよ。
と言いつつ、岩波文庫の完訳版をすでに4巻購入してあります。老後の楽しみです。
ところで、時々ドキンとする表現に出会います。
次のような表現から、ゲルマント夫人への憧れがどのようなものかがよく分かります。
「ゲルマント夫人は、もう坐っていた。名前には侯爵夫人という称号が備わっているた
めに、現実の夫人の身体も侯爵領をひきずっており、それが周囲に投影されて、サロン
の真ん中で彼女が腰をおろしているクッションのまわりには、金色の光のさしこむゲル
マントの森のさわやかな木陰が広がっていた。」(P112)
さて、この巻の前半では、サロンにおける上流階級の人々の描写が読みどころでした。
後半は、いよいよ「ソドムとゴモラ」。ある意味、最も面白い場面かもしれません。
シャルリュス男爵とチョッキ職人のジュビヤンは、初めて会った途端見つめ合い・・・
直後にジュビヤンは、どのようなポーズをとったか? そして二人はどうしたか?
シャルリュス男爵が、軍の演奏家のモレルを呼び戻すために使った計略は・・・
P398からの、ソドミストが道化的に描かれている「偽りの決闘」の場面は、傑作です。
さて、「まんがで読破」シリーズの「失われた時を求めて」は、現在絶版。惜しい!
あの途方もなく長い小説を、非常に要領よくまとめています。構成がうまいです。
さいごに。(紅白出場よかったね)
Hey! Say! JUMPが、昨年に続いて今年も紅白出場が決まり、娘は喜んでいます。
「ヒット曲がないのになぜ出られるの?」と聞いたら、娘に本気で怒られました。