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ホテル・ジャンキー [読書・ライフスタイル]

 「ホテル・ジャンキー」 村瀬千文 (王様文庫)


 ラッフルズ、リッツ、プラザ、アマンダリなど、一流のホテルを紹介しています。
 村瀬の第一作で、リッツで堂々とクレームを付ける話などが、話題になりました。


ホテル・ジャンキー―ホテルが大好きでやめられない (王様文庫)

ホテル・ジャンキー―ホテルが大好きでやめられない (王様文庫)

  • 作者: 村瀬 千文
  • 出版社/メーカー: 三笠書房
  • 発売日: 2000/01/01
  • メディア: 文庫



 「部屋を替えて」と言って、そっけない対応をされた村瀬は、毅然と言い放ちます。
 「マネージャーとお話ししたいので伝えてください」と。しかも、リッツで・・・

 私はこのプロローグで驚きました。
 だいたい、リッツ様が選んでくださった部屋を、替えたいなんて言っていいのかと。

 そういう意味で、衝撃的な本でした。ホテルに対する見方を変えてくれました。
 ほかにも、ダメなものはダメと、はっきり書いてあります。たとえ一流ホテルでも。

 シンガポールの「ラッフルズ・ホテル」は、私の最も行きたいホテルですが・・・
 村瀬が訪れた81年の頃は、過去の資産を食い潰しきる最後の時だったと言います。

 日本ではバブル崩壊後、数々のホテルが銀行の経営を肩代わりしました。
 ラッフルズもしかりで、銀行の傘下に入ったことから不幸が始まったと言います。

 「銀行マン的発想で、『これはムダだ』などと言って、金を出すのと同時に余計な口
 も出すものだから、ホテルはどんどんダメになってしまう。」(P41)

 それでもラッフルズの写真を見ると、いつかは泊まりたい、と思ってしまいます。
 この本には、美しい写真が多数収録されているので、見ていてとても楽しいです。

 デンマーク人船長が始めたという、タイの「オリエンタル・バンコック」。
 わざわざ車で2時間という不便な場所に作られた、「アマン・リゾーツ」。

 貴族の執事的サービスを信条とする、超名門「リッツ・カールトン」。
 英国植民地支配を支えた東インド会社起源の、「マンダリン・オリエンタル香港」。

 プラザ合意で知られている、ニューヨークのホテル「プラザ」。
 アメリカ建築界の大御所ペイが携わった、「フォーシーズンズ・ホテル・NY」。

 「フォーシーズンズ」が登場して、私はとても嬉しかったです。
 というのも、我々は新婚旅行でハワイ島の「フォーシーズンズ」に泊まったので。

 その名も、「フォーシーズンズ・リゾート・フアラライ」。宿泊は2002年のGW。
 その前年、どこかの雑誌(?)のランキングで世界一(!)に輝いたホテルです。

 一生に一度のことだと思って、思いっきり無理をして、ここに予約を取りました。
 さすが、とびっきり贅沢で、すばらしい環境でした!

 しかし、何もかもあまりに贅沢すぎて、私はあまり落ち着けませんでした。
 今思うと、身の丈に合わないホテルでした。とはいえ、とても貴重な体験でした。

 さて、本書を紹介したら、「ホテル・ジャンキーズ事件」に触れざるを得ません。
 掲示板の書き込みを勝手に本にまとめたら、投稿者に訴えられたという事件です。

 つまり、この本の文章も掲示板からパクったものかもしれない、ということか?
 そうだとしても私は、この本の魅力は、ほとんど損なわれないと思っています。

 さいごに。(懐かしきフォーシーズンズ)

 ハワイ島1周ツアーに参加したり、マウナケア・ツアーに参加したり・・・
 今思うと、もったいなかった。一日中ホテルでのんびりしていれば良かったのに!

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