聖書物語 [心理・宗教・オカルト]
「聖書物語」 山室静 (現代教養文庫)
旧約聖書と新約聖書の物語の流れを、分かりやすくまとめて紹介した著書です。
初版が1968年。今はなき社会思想社の現代教養文庫から出ていました。
詩人の山室静による親しみやすい聖書入門です。前半は「旧約聖書」の物語です。
天地創造、エデンの園、カインとアベル、ノアの箱舟、バベルの塔、アブラハム・・・
この本の初版は1968年です。しかし、内容はまったく古びていないと私は思います。
1985年に再版されて、その数年後に私は読みました。まだ大学生だった頃の話です。
この本の魅力は、詩人山室静の、優しく語りかけてくるような親しみやすい文章です。
私は一読してファンになり、山室静「ギリシャ神話」も購入し、愛読書となりました。
ところが、この思い出の「聖書物語」を、引っ越しの時に紛失してしまったのです。
今回、懐かしくなって探したところ、アマゾンで手に入りました。(さすがアマゾン)
さて、この本のもう一つの魅力は、物語の流れの中で自然に述べられる補足説明です。
たとえば、冒頭の天地創造の場面では、他の神話との違いを三点説明しています。
1、世界を造ったのがただ一人の神エホバである。2、その神によって、人間は初めか
ら全生物を支配するよう定められている。3、人間は神の国を実現させるべく努める。
このような説明は、初めて聖書を読んだ大学生の私にとって、とても役に立ちました。
解説しながら優しく語りかけるこのスタイルは、阿刀田高に受け継がれたのでは?
ところで、50歳を過ぎて読み返してみると、聖書の内容は突っ込みどころ満載でした。
また、純情だった当時と違って、いろいろと言いたくなる場面もありました。
特に、アブラハムに息子を生贄にせよという神は、いくらなんでもやりすぎですよ。
「最も感動的な場面の一つだ」というけど、私は神に腹が立って腹が立って・・・
ヨブに対して行ったしうちもひどいです。神は悪魔の賭けに乗る必要があったのか。
破滅させられながらも神を信じ続ける、お人よしのヨブに腹が立って・・・
というように、すぐ違和感を覚える私は、聖書の良い読み手では決してありません。
しかし、だからこそ、聖書は実に興味深く、さまざまな本を手にしてきました。
岩波ジュニア新書からは、宗教人類学者の山形孝夫による「聖書物語」が出ています。
これら二冊は聖書入門としておススメですが、中級者には物足りないかもしれません。
逆に、作家の木嶋さと子による「聖書物語」(角川ソフィア文庫)は中級者向けです。
聖書の話の流れだけを追いたかった私には、少し分かりにくかったです。
以上三冊には挿絵がたくさん入っていますが、文庫や新書なので、やや見にくいです。
その点「図説聖書物語」旧約篇・新訳篇(ふくろうの本)は、挿絵を充分楽しめます。
【参考】
「ふしぎなキリスト教」→https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2018-09-10
「聖書物語一日一話」→https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2010-09-23
「イエスの生涯」遠藤周作→https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2014-09-11
「キリストの誕生」遠藤周作→https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2014-09-18
「死海のほとり」遠藤周作→https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2014-10-12
さいごに。(充分優しい?)
娘が私を「おじい」と呼んで、何かと憎まれ口をたたきます。
「パパに対する尊敬の念が足りない」と言って叱ったのですが、効果がありません。
娘は「自分は充分優しい。父親としゃべりもしない子もいるのだから」と言います。
なるほど。まったくしゃべらないよりも、おじいと言われていた方がマシか・・・
旧約聖書と新約聖書の物語の流れを、分かりやすくまとめて紹介した著書です。
初版が1968年。今はなき社会思想社の現代教養文庫から出ていました。
詩人の山室静による親しみやすい聖書入門です。前半は「旧約聖書」の物語です。
天地創造、エデンの園、カインとアベル、ノアの箱舟、バベルの塔、アブラハム・・・
この本の初版は1968年です。しかし、内容はまったく古びていないと私は思います。
1985年に再版されて、その数年後に私は読みました。まだ大学生だった頃の話です。
この本の魅力は、詩人山室静の、優しく語りかけてくるような親しみやすい文章です。
私は一読してファンになり、山室静「ギリシャ神話」も購入し、愛読書となりました。
ところが、この思い出の「聖書物語」を、引っ越しの時に紛失してしまったのです。
今回、懐かしくなって探したところ、アマゾンで手に入りました。(さすがアマゾン)
さて、この本のもう一つの魅力は、物語の流れの中で自然に述べられる補足説明です。
たとえば、冒頭の天地創造の場面では、他の神話との違いを三点説明しています。
1、世界を造ったのがただ一人の神エホバである。2、その神によって、人間は初めか
ら全生物を支配するよう定められている。3、人間は神の国を実現させるべく努める。
このような説明は、初めて聖書を読んだ大学生の私にとって、とても役に立ちました。
解説しながら優しく語りかけるこのスタイルは、阿刀田高に受け継がれたのでは?
ところで、50歳を過ぎて読み返してみると、聖書の内容は突っ込みどころ満載でした。
また、純情だった当時と違って、いろいろと言いたくなる場面もありました。
特に、アブラハムに息子を生贄にせよという神は、いくらなんでもやりすぎですよ。
「最も感動的な場面の一つだ」というけど、私は神に腹が立って腹が立って・・・
ヨブに対して行ったしうちもひどいです。神は悪魔の賭けに乗る必要があったのか。
破滅させられながらも神を信じ続ける、お人よしのヨブに腹が立って・・・
というように、すぐ違和感を覚える私は、聖書の良い読み手では決してありません。
しかし、だからこそ、聖書は実に興味深く、さまざまな本を手にしてきました。
岩波ジュニア新書からは、宗教人類学者の山形孝夫による「聖書物語」が出ています。
これら二冊は聖書入門としておススメですが、中級者には物足りないかもしれません。
逆に、作家の木嶋さと子による「聖書物語」(角川ソフィア文庫)は中級者向けです。
聖書の話の流れだけを追いたかった私には、少し分かりにくかったです。
以上三冊には挿絵がたくさん入っていますが、文庫や新書なので、やや見にくいです。
その点「図説聖書物語」旧約篇・新訳篇(ふくろうの本)は、挿絵を充分楽しめます。
【参考】
「ふしぎなキリスト教」→https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2018-09-10
「聖書物語一日一話」→https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2010-09-23
「イエスの生涯」遠藤周作→https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2014-09-11
「キリストの誕生」遠藤周作→https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2014-09-18
「死海のほとり」遠藤周作→https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2014-10-12
さいごに。(充分優しい?)
娘が私を「おじい」と呼んで、何かと憎まれ口をたたきます。
「パパに対する尊敬の念が足りない」と言って叱ったのですが、効果がありません。
娘は「自分は充分優しい。父親としゃべりもしない子もいるのだから」と言います。
なるほど。まったくしゃべらないよりも、おじいと言われていた方がマシか・・・
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