東海道中膝栗毛2 [日本の古典文学]
「現代語訳 東海道中膝栗毛(下)」 十返舎一九作 伊馬春部訳 (岩波現代文庫)
江戸時代の東海道の旅を、狂歌をまぜながら面白おかしく描いた、滑稽本の傑作です。
訳は作家の伊馬春部。1974年に出ました。下巻は五編から七編まで収録しています。
とうとう、目的だったお伊勢参りを済ませますが、これで終わりではありません。
このあと、京都まで足を延ばしますが、この部分が思いのほか面白かったです。
あとへ行くほど、1つ1つのエピソードが、長く凝ったものとなっていきます。
十返舎一九の筆はますます冴えますが、下ネタ満載なところは上巻と変わりません。
外宮を参拝した後、弥次さんは急に腹痛がしたので、宿屋に入って横になりました。
勘違いして弥次さんのところにやってきた産婆。二人のやりとりが傑作でした。
ばば「ぐっと力んで。それ、もうひとふんばり」
弥次「ここで力んでたまるものか。雪隠(せっちん)に行きてえ。はなしてくれ」
ばば「厠(かわや)へ行てはならんわいの。とんだことをおっしゃるわい」
弥次「ここで力むと、ここに出る」
ばば「出るから、りきまんせと言うのじゃ。それ、ううん。それ、もう頭がでかけた、
出かけた」
弥次「いたたたた。これ、そりゃあ、赤ん坊じゃねえ。それをそんなに、引っぱっちゃ
いけねえ。ああ、これ痛えよ」
(目の悪い産婆が、赤ん坊だと思って引っ張ったモノは、もちろん・・・)
また、淀川を下る乗合船での一幕も傑作です。
弥次さんが小便が出そうで困っていると、隣にいたご隠居が尿瓶を貸してくれました。
夜の暗がりの中での手探りのため、弥次さんは急須を尿瓶だと間違えて用をたし・・・
翌朝ご隠居はそれと知らず、その急須に酒を入れ、燗をして皆にふるまって・・・
尿瓶は新品だったため、今度はその尿瓶に酒を入れて、燗をして皆に回しました。
しかし途中で、酒の入った尿瓶と、病人の尿瓶が取り違えられてしまい・・・
この手の話がわんさと出てきますが、嫌いな人もいるでしょう。私は好きですけど。
そういえば、上巻の冒頭付近にも、こんな話が出ていました。
ある女を手篭めにしようとしたら声を出すので、その口に餅を入れて黙らせました。
女は餅をむしゃむしゃ食って「もっとくれ」と言うので、馬糞を入れてやったとか。
「東海道中膝栗毛」は児童用の抄訳も出ているので、私も子供の頃に読みました。
しかし、こういう本当に面白い(?)部分は、全部カットされていたのですね。
この作品が出たのは1802年です。江戸時代後期の人々の好みが分かって面白いです。
この後、一九は「続膝栗毛」を連発し、流行作家となりました。
一九は、日本で初めて文筆のみで自活した作家です。それだけ作品が売れました。
その背景には、寺子屋が増え、庶民の識字率が高まっていたことがあると言います。
さいごに。(世界陸上ドーハ大会)
世界陸上では、50キロの鈴木に次いで、20キロでは山西が金メダルを取りました。
お見事。競歩という地味でキツイ競技が、注目されるきっかけとなってほしいです。
そして、なんといってもスゴかったのは、4×100mリレー。米英に続き銅メダル!
ここ10年で、日本のリレーは3以内に入って当然、というチームに成長しました。
江戸時代の東海道の旅を、狂歌をまぜながら面白おかしく描いた、滑稽本の傑作です。
訳は作家の伊馬春部。1974年に出ました。下巻は五編から七編まで収録しています。
とうとう、目的だったお伊勢参りを済ませますが、これで終わりではありません。
このあと、京都まで足を延ばしますが、この部分が思いのほか面白かったです。
あとへ行くほど、1つ1つのエピソードが、長く凝ったものとなっていきます。
十返舎一九の筆はますます冴えますが、下ネタ満載なところは上巻と変わりません。
外宮を参拝した後、弥次さんは急に腹痛がしたので、宿屋に入って横になりました。
勘違いして弥次さんのところにやってきた産婆。二人のやりとりが傑作でした。
ばば「ぐっと力んで。それ、もうひとふんばり」
弥次「ここで力んでたまるものか。雪隠(せっちん)に行きてえ。はなしてくれ」
ばば「厠(かわや)へ行てはならんわいの。とんだことをおっしゃるわい」
弥次「ここで力むと、ここに出る」
ばば「出るから、りきまんせと言うのじゃ。それ、ううん。それ、もう頭がでかけた、
出かけた」
弥次「いたたたた。これ、そりゃあ、赤ん坊じゃねえ。それをそんなに、引っぱっちゃ
いけねえ。ああ、これ痛えよ」
(目の悪い産婆が、赤ん坊だと思って引っ張ったモノは、もちろん・・・)
また、淀川を下る乗合船での一幕も傑作です。
弥次さんが小便が出そうで困っていると、隣にいたご隠居が尿瓶を貸してくれました。
夜の暗がりの中での手探りのため、弥次さんは急須を尿瓶だと間違えて用をたし・・・
翌朝ご隠居はそれと知らず、その急須に酒を入れ、燗をして皆にふるまって・・・
尿瓶は新品だったため、今度はその尿瓶に酒を入れて、燗をして皆に回しました。
しかし途中で、酒の入った尿瓶と、病人の尿瓶が取り違えられてしまい・・・
この手の話がわんさと出てきますが、嫌いな人もいるでしょう。私は好きですけど。
そういえば、上巻の冒頭付近にも、こんな話が出ていました。
ある女を手篭めにしようとしたら声を出すので、その口に餅を入れて黙らせました。
女は餅をむしゃむしゃ食って「もっとくれ」と言うので、馬糞を入れてやったとか。
「東海道中膝栗毛」は児童用の抄訳も出ているので、私も子供の頃に読みました。
しかし、こういう本当に面白い(?)部分は、全部カットされていたのですね。
この作品が出たのは1802年です。江戸時代後期の人々の好みが分かって面白いです。
この後、一九は「続膝栗毛」を連発し、流行作家となりました。
一九は、日本で初めて文筆のみで自活した作家です。それだけ作品が売れました。
その背景には、寺子屋が増え、庶民の識字率が高まっていたことがあると言います。
さいごに。(世界陸上ドーハ大会)
世界陸上では、50キロの鈴木に次いで、20キロでは山西が金メダルを取りました。
お見事。競歩という地味でキツイ競技が、注目されるきっかけとなってほしいです。
そして、なんといってもスゴかったのは、4×100mリレー。米英に続き銅メダル!
ここ10年で、日本のリレーは3以内に入って当然、というチームに成長しました。