オルレアンの少女 [19世紀ドイツ北欧文学]
「オルレアンの少女(おとめ)」 シルレル作 佐藤通次訳 (岩波文庫)
神による啓示を受けてフランスのために戦った、ジャンヌ・ダルクの悲劇です。
1801年に上演され大成功を収めました。チャイコフスキー作オペラも有名です。
岩波文庫「オルレアンの少女」は、初版が1938年で、改訳が1951年です。
活字が旧字体で読みにくいのですが、文章自体は意外と分かりやすいです。
英仏100年戦争の終わり頃、フランスの地はイギリス軍に蹂躙されていました。
オルレアンの町は包囲され、敵に攻め落とされるのを待つばかりの状況でした。
そのとき片田舎で、農夫の末娘ジャンヌは、突然、神の声を聞いたのです。
「さあ往け、お前は地上でわたしの為に證(あかし)せねばならぬ。」(P35)
ただし、常に清くなければならない。つまり、男を好きになってはいけない。
妻にも母にもなれないが、戦いの名誉で、どの女よりも尊い者にしよう、と。
神の命に従い、ジャンヌはフランス王を戴冠させるため、行動を開始しました。
威風堂々と現れたジャンヌは、敵軍に勝利し、フランス王にも信頼されました。
一方、敗走するイギリス軍からは、悪魔の使者として恐れられて・・・
敵将ライオネルと戦ったことが、皮肉にも彼女にとってアダとなり・・・
「わたしは、天国の開かれるのを見、マリヤ様のお姿をこの目に拝みました!
それなのに、今わたくしの望みは、この世にあって、天国にはございませぬ!」
(P199)
シャルル七世の戴冠が盛大に行われた時、ジャンヌの父が想定外の行動を・・・
そして、ジャンヌの運命は急転換して・・・
これは、ずっと読みたかった戯曲です。2020年2月にようやく復刊されました。
古い本ですが、文章は分かりやすくて、いっきに読めました。面白かったです。
ジャンヌのドラマティックな生涯に、ロマンティックな味付けをしています。
少女としてのジャンヌダルクの悲劇性が際立ち、魅惑的な戯曲となっています。
特に、結末をシラー流に美しく描いたところがいいです。史実とは違いますが。
ジャンヌ・ダルクのイメージの多くは、この戯曲によって作られたそうです。
シラーの作品は、ほかにも次のようなものがあります。参考にしてください。
「群盗」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2016-11-21
「ヴァレンシュタイン」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2013-06-18
「ヴィルヘルム・テル」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2017-06-01
さいごに。(ようやくマスクが)
ときどきマスクが、店頭で見られるようになりました。生産が追いつき始めたのか?
しかし手作りの布マスクは、洗って何度も使えるので、店頭のマスクはいりません。
もしかしたら、みんなが布マスクを作り始めたので、市場に出てきたのでしょうか。
今後マスクが余って、店が多くの在庫を抱えるのではと、余計な心配をしています。
神による啓示を受けてフランスのために戦った、ジャンヌ・ダルクの悲劇です。
1801年に上演され大成功を収めました。チャイコフスキー作オペラも有名です。
岩波文庫「オルレアンの少女」は、初版が1938年で、改訳が1951年です。
活字が旧字体で読みにくいのですが、文章自体は意外と分かりやすいです。
英仏100年戦争の終わり頃、フランスの地はイギリス軍に蹂躙されていました。
オルレアンの町は包囲され、敵に攻め落とされるのを待つばかりの状況でした。
そのとき片田舎で、農夫の末娘ジャンヌは、突然、神の声を聞いたのです。
「さあ往け、お前は地上でわたしの為に證(あかし)せねばならぬ。」(P35)
ただし、常に清くなければならない。つまり、男を好きになってはいけない。
妻にも母にもなれないが、戦いの名誉で、どの女よりも尊い者にしよう、と。
神の命に従い、ジャンヌはフランス王を戴冠させるため、行動を開始しました。
威風堂々と現れたジャンヌは、敵軍に勝利し、フランス王にも信頼されました。
一方、敗走するイギリス軍からは、悪魔の使者として恐れられて・・・
敵将ライオネルと戦ったことが、皮肉にも彼女にとってアダとなり・・・
「わたしは、天国の開かれるのを見、マリヤ様のお姿をこの目に拝みました!
それなのに、今わたくしの望みは、この世にあって、天国にはございませぬ!」
(P199)
シャルル七世の戴冠が盛大に行われた時、ジャンヌの父が想定外の行動を・・・
そして、ジャンヌの運命は急転換して・・・
これは、ずっと読みたかった戯曲です。2020年2月にようやく復刊されました。
古い本ですが、文章は分かりやすくて、いっきに読めました。面白かったです。
ジャンヌのドラマティックな生涯に、ロマンティックな味付けをしています。
少女としてのジャンヌダルクの悲劇性が際立ち、魅惑的な戯曲となっています。
特に、結末をシラー流に美しく描いたところがいいです。史実とは違いますが。
ジャンヌ・ダルクのイメージの多くは、この戯曲によって作られたそうです。
シラーの作品は、ほかにも次のようなものがあります。参考にしてください。
「群盗」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2016-11-21
「ヴァレンシュタイン」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2013-06-18
「ヴィルヘルム・テル」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2017-06-01
さいごに。(ようやくマスクが)
ときどきマスクが、店頭で見られるようになりました。生産が追いつき始めたのか?
しかし手作りの布マスクは、洗って何度も使えるので、店頭のマスクはいりません。
もしかしたら、みんなが布マスクを作り始めたので、市場に出てきたのでしょうか。
今後マスクが余って、店が多くの在庫を抱えるのではと、余計な心配をしています。