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狂気の山脈にて1 [20世紀アメリカ文学]

 「狂気の山脈にて クトゥルー神話傑作選」
 H・P・ラヴクラフト作 南條竹則編訳 (新潮文庫)


 タイトル作で代表作の「狂気の山脈にて」は、ラヴクラフトには珍しい中編小説です。
 そのほか「時間からの影」など、重要なクトゥルー神話を含む怪奇幻想小説集です。


狂気の山脈にて クトゥルー神話傑作選 (新潮文庫)

狂気の山脈にて クトゥルー神話傑作選 (新潮文庫)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2020/11/28
  • メディア: 文庫



 「狂気の山脈にて」は、地質学者ダイアー教授の手記という形をとっています。
 ダイアー教授は探検隊の隊長として、化石を採集するために南極にやってきました。

 ところが、別動隊を率いる生物学者のレイク教授が、とてつもない発見をしました。
 未知なる黒い山脈の洞窟の中で、見たこともない奇怪な化石を見つけたのです。

 ヒトデのような形の頭部を持ち、巨大な植物を思わせる姿だったと言うのです。
 しかも背中には羽があり、古代神話で語られる「最先のものら」を思わせたと。

 その中で、無傷で残っていた八体を、レイクがキャンプで解剖を試みたところ・・・
 その後、レイクからの連絡は途絶え、ダイアーは救援に向かいますが・・・

 ダイアーが漆黒の山脈の上で見たものは? レイクのキャンプで見たものは?
 レイクたち隊員に何があったのか? あの奇怪な化石は何だったのか? 

 読み応え充分です。非常に面白かったのですが、非常に疲れました。
 物語の恐怖と、うねるような独特の文体が、我々読者の神経を消耗させます。

 200ページ弱の中編なので、それほど長くはないのですが、とても長く感じました。
 特に緻密な描写が続く場面は、頭の中で想像するのがたいへんでたいへんで・・・

 ところが、「狂気の山脈にて」をもっと手軽に楽しめる方法があるのです。
 ビームコミックスから全4巻で出ているのです。これが本当にすばらしかった!


狂気の山脈にて ラヴクラフト傑作集 コミック全4巻完結セット (ビームコミックス)

狂気の山脈にて ラヴクラフト傑作集 コミック全4巻完結セット (ビームコミックス)

  • 作者: 田辺 剛
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/08/01
  • メディア: 単行本



 レビューの評判が非常に良かったので購入しました。なんといっても絵が良い。
 とてもイメージ湧きました。「百聞は一見にしかず」とはよく言ったものです。

狂気の山脈にて1.jpg
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 私はこの作品で田邊剛を知りました。
 代表作は「ラヴクラフト傑作集」です。シリーズ全作を読みたいです。

 この作品はみんなにおすすめしたい。
 と思ったら、岡田斗司夫がユーチューブで紹介していました。



 さいごに。(友達ができた)

 娘に友達ができたと言う。よかった。
 近くの席にイケメン君がいると言う。次はイケメン君と仲良くなるのが目標だな。

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