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近江散歩、奈良散歩 街道をゆく24 [日本の近代文学]

 「近江散歩、奈良散歩 街道をゆく24」 司馬遼太郎著 (朝日文芸文庫)


 東大寺や興福寺を中心に、様々な回想を交えながら奈良を歩いた時の紀行文集です。
 「週刊朝日」で、1971年から25年間連載された「街道を行く」の第24巻です。


街道をゆく 24 近江散歩、奈良散歩 (朝日文庫)

街道をゆく 24 近江散歩、奈良散歩 (朝日文庫)

  • 作者: 司馬 遼太郎
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2009/01/09
  • メディア: 文庫



 「おそらく首都が山城の平安京にひっこして以来の南都のさびしさというものが、
 沈殿して伝承しているとしか思えない。」(P206)

 奈良のものさびしさを、司馬はこう表現します。「奈良散歩」は私の青春の書です。
 1988年の朝日文庫の初版を持って、大学時代最後の春休みに、奈良を歩きました。

 観光ガイドに書いてあるようなありきたりな説明は書いてありません。
 ほとんど東大寺の話だけですが、奈良を味わい尽くした人の蘊蓄に満ちています。

 三月堂と四月堂のあいだをぬけていく道が良いと聞けば、そこを通ってみました。
 下の茶屋の屋根に鍾馗さんがいると聞けば、探してみました。(見つからなかった)

 ふつうの屋根の鬼瓦が、桃になっていると聞けば、ひとつひとつ見て回りました。
 でっかい猫がいると聞けば、猫を見るたびに近寄って見ました。(もういないって)

 しかし極めつけは、お水取りを見に行ったことでしょう。
 火の粉をかぶりたくて、2時間前から場所を取り、この本を読みながら待ちました。

 当時の私が見たのは、クライマックス(?)の「お松明」でした。
 次の機会には、過去帳を聞きたいです。目当てはもちろん「青衣の女人」です。

 「源頼朝のくだりでひとつ山を終え、あとは坂をくだるようによんでいると、にわ
 かに青い衣を着た女人があらわれ、するすると集慶(じゅうけい)のそばに寄って
 きて、
  など我をば過去帳にはよみおとしたるぞ。
 といった。集慶はとっさに『青衣ノ女人(しょうえのにょにん)』とよみあげると、
 掻き消えた。」(P319)

 鎌倉時代の修二会でのことだそうです。
 司馬は、東大寺再建のために帝や院を動かした女人ではないか、と推測しています。

 さて、大学時代に購入した初版は、旅先でボロボロになってしまいました。
 10年ほどのちに、近江を旅したとき、この本を買い直しました。

 本書の前半は「近江散歩」です。特に「寝物語の里」が思い出深いです。
 著者同様、見過ごしてしまい、半日ほどかけて石碑を探し回りました。

 現在、手もとに残っているのは、このとき購入した本です。
 すでに日焼けで真っ黒になってしまいましたが、私にとって大事な一冊です。

 ちなみに、私はこの本で、宮大工の棟梁の西岡常一を知りました。
 「木に学べ」(小学館文庫)は、再読したい名著です。


木に学べ 法隆寺・薬師寺の美(小学館文庫)

木に学べ 法隆寺・薬師寺の美(小学館文庫)

  • 作者: 西岡 常一
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2003/11/07
  • メディア: 文庫



 さいごに。(ガラケーはつらい)

 「簡単なアンケートです。3分で終わります。」と言われたので協力しました。
 ところが、最初からいきなりつまづいて、15分やっても結局できませんでした。

 「このQRコードを読み取ってください。」と言われ、最初からいきなりアウト!
 ラインからQRリーダーを開いても、パケット代がかかるとメッセージが出て・・・

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悦ちゃん [日本の近代文学]

 「悦ちゃん」 獅子文六 (ちくま文庫)


 10歳の少女「悦ちゃん」が父「碌さん」の再婚を巡って活躍するドタバタ劇です。
 戦前の新聞に連載されて注目を集めました。作者にとって最も成功した作品です。


悦ちゃん (ちくま文庫)

悦ちゃん (ちくま文庫)

  • 作者: 獅子 文六
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2015/12/09
  • メディア: 文庫



 柳碌太郎は、レコード用音楽の売れない作詞家で、皆から碌さんと呼ばれています。
 既に両親は無く、一昨年妻を亡くして、10歳の娘悦ちゃんと2人で暮らしています。

 姉の鶴代は碌さんに再婚を勧めます。その相手はなんと日下部銀行の令嬢カオルです。
 美しくて、頭が良くて、しかも多額の持参金持ち。文句の言いようのない相手です。

 姉と義兄は、なぜかこの縁組にとても熱心です。どこか、下心がありそうなのです。
 また、悦ちゃんを寄宿舎に入れると言っているカオル嬢を、悦ちゃんは嫌います。

 碌さんは、軽い抵抗を感じながらも、ずるずると周囲に流され、婚約にいたります。
 一方、悦ちゃんはデパートで働く鏡子のような優しい人を、母にしたいと願います。

 つきまとう男に鏡子がとっさに言ってしまった嘘のため、物語は大きく展開し・・・
 しかしそのことが、あとから考えると大事な転換点だったと分かるのでした・・・

 この作品の魅力は、こましゃくれた悦ちゃんと、ダメ親父の碌さんの黄金コンビです。
 悦ちゃんをほったらかす碌さん・・・生活のためにけなげに行動する悦ちゃん・・・

 また、全体を貫く「ザ・昭和」の雰囲気がたまりません。昭和10年代の世界です。
 デパートには女店員の監督係がいますし、会社から家庭通信が家族に届けられます。

 また、鏡子の父は娘に一言も無く勝手に縁談を進めますし、怒ると娘に手を上げます。
 しかもそんな男に、再婚の妻は文句一つ言わず義理立てするのです。

 このように、書かれた時代も描かれている世界も違うのに、驚くほど読みやすいです。
 流れるような文体です。また、全体からにじみ出るユーモアもすばらしいです。

 さて、獅子文六が再評価されるにともない、2017年にNHKでドラマ化されました。
 どこか懐かしさを感じるカバーイラストの女の子は、チコちゃんに似ていて・・・

 もう1冊、獅子文六のオススメ本は、「コーヒーと恋愛」です。
 「コーヒーと恋愛」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2018-06-23

 さいごに。(リベンジ消費?)

 先日、車検がありました。バッテリー交換を入れて、20万円近くかかりました。
 妻の軽自動車も同じ時期に車検でした。タイヤ二つの交換を入れて、約14万円でした。

 しかも、今月はボーナス月なので、住宅ローンがごっそりと引き落とされます。
 巷ではリベンジ消費と言っていますが、お金が残らないのでリベンジできません・・・

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瘋癲老人日記2 [日本の近代文学]

 「瘋癲老人日記」 谷崎潤一郎 (中公文庫)


 息子の嫁の足を愛する、不能の老人の煩悶を、カタカナの日記でつづった作品です。
 中公文庫版は、棟方志功の装丁が魅力的です。妖しい挿絵も多数入っています。


瘋癲老人日記 (中公文庫)

瘋癲老人日記 (中公文庫)

  • 作者: 谷崎 潤一郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2001/03/25
  • メディア: 文庫



 「ネエ颯子、コレカラ時々『颯チャン』ト呼バシテオクレヨ」
 「馬鹿ラシイ」
 「颯チャン」
 「甘ッタレ坊主ノ嘘ツキ坊主、誰ガソノ手ニ載ルモンデスカ」

 颯子は、悪女なのか、仙女なのか。
 いずれにしても、この作品の魅力の大部分は、間違いなく颯子の存在にあります。

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 終盤に入ってますます面白くなります。1回ではとても紹介しきれませんでした。
 老人は、颯子と一緒に行動したいがため、京都に自分の墓地を探しに行くのです。

 墓石について、老人には考えがあり・・・「颯子菩薩の計画」とは何か?
 さらにもう一つ考えがあって・・・「颯子の仏足石の計画」とは何か?

 さすが足フェチ文学の最高峰。老人の痴態はおかしいというよりも、感動的です。
 老人の異常性欲がもたらす発想は、ヘンタイを超越して、むしろ神々しいです。

 ところで、谷崎は2年後に亡くなり、老人の希望していた法然院に納骨されます。
 その墓石の写真を期待して見たのですが・・・普通でした。

 さて、2001年に出た「谷崎潤一郎=渡辺千萬子 往復書簡」は興味深い本です。
 渡辺千萬子は颯子のモデルです。彼女は谷崎の最後の妻の連れ子だったそうです。

 谷崎家に入ったときには、谷崎より44歳年下の21歳だったとのこと。
 谷崎と彼女は、お互いに尊敬し合うとても理想的な関係だったのだそうです。

 ここで気になるのが、谷崎が千萬子に贈ったと言われる歌です。これが、すごい。
 「薬師寺の如来の足の石よりも君が召したまふ沓の下こそ」


谷崎潤一郎=渡辺千萬子往復書簡 (中公文庫)

谷崎潤一郎=渡辺千萬子往復書簡 (中公文庫)

  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2006/01/25
  • メディア: 文庫



 最後に、「瘋癲老人日記」の気になる記述を引用します。
 谷崎がなぜ京都に墓地を選んだか。なぜ東京ではなかったのかが分かる文章です。

 「今ノ東京ヲコンナ浅マシイ乱脈ナ都会ニシタノハ誰ノ所業ダ、ミンナ田舎者ノ、
 ポット出ノ、百姓上リノ、昔ノ東京ノ好サヲ知ラナイ政治家ト称スル人間共ノシ
 タコトデハナイカ。(中略)今ノ東京ノヨウナ不愉快ナ、自分ニ何ノ因縁モナク
 ナッテシマッタ土地ニ埋メラレルノハイヤダ。」(P192)

 このような思いが、あの雅やかな文体を生み出したのでしょう。
 なお、この晩年の傑作は、谷崎の文体の到達点と言われることもあります。

 さいごに。(来月発売の気になる文庫本)

・7/20「谷崎マンガ 変態アンソロジー」榎本俊二/今日マチ子ほか(中公文庫)
 → 「谷崎万華鏡」の文庫化か。だとしたら「瘋癲老人日記」も収録。気になる。

・7/20「谷崎潤一郎伝 堂々たる人生」小谷野敦(中公文庫)
 → 谷崎の本格的な評伝。著者は「もてない男」の小谷野氏。少し気になる。

・7/20「日本建築集中講義」藤森照信/山口晃(中公文庫)
 → 単行本では多くの図版あり。文庫本でカットされていなかったら、買い。

・その他、「銀河帝国興亡史1」の新訳が、創元推理文庫から出るらしいのです。
 ああー ハヤカワ文庫版を買ったばかりなのに!

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瘋癲老人日記1 [日本の近代文学]

 「瘋癲老人日記」 谷崎潤一郎 (中公文庫)


 息子の嫁の足を愛する、不能の老人の煩悶を、カタカナの日記でつづった作品です。
 晩年を飾るいかにも谷崎らしいヘンタイ小説ですが、毎日芸術大賞を受賞しました。


瘋癲老人日記 (中公文庫)

瘋癲老人日記 (中公文庫)

  • 作者: 谷崎 潤一郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2001/03/25
  • メディア: 文庫



 小説は冒頭、主人公の老人が、美少年の女形と同衾したときの回想から始まります。
 あっと驚くような体験談によって、いっきに物語の世界に引き込まれました。

 「事ヲ行ウニ至ッテモ、普通ノ藝妓ト普通ノ方法デ行ッテイルノト異ルトコロハナカ
 ッタ。ツマリ彼ハ最後マデ男子デアルコトヲ相手ニ感ジサセズ、女性ニナリ切ッテイ
 タ。」(P10)

 主人公の老人は77歳になります。明らかに、完結時に77歳であった谷崎の分身です。
 彼は性的に不能でありながら、息子の嫁である颯子(さつこ)に恋焦がれています。

 「既ニ全ク無能力者デハアルガ、ダカラト云ッテイロイロノ変形的間接的方法デ
 性ノ魅力ヲ感ジルコトガ出来ル。」(P27)

 「変形的間接的方法」とは、颯子の足に対して異様な執着心を抱いていることです。
 そして、そういう老人の嗜好を、颯子はなんとなく察しているらしいのです。

 老人と颯子は、お互いに良き理解者です。だから二人は自然と共犯関係になります。
 颯子の浮気を見逃す代わりに、彼女の足をしゃぶり回すことを許された老人は・・・

 「一生懸命ニ気ヲ静メヨウ、興奮シテハナラナイト自分デ自分ニ云イ聞カセタガ、オ
 カシナコトニ、ソウ思イナガラ、彼女ノ足ヲシャブルコトハ一向ニ止メナカッタ。止
 メラレナカッタ。イヤ、止メヨウト思エバ思ウホド、マスマス気狂イノヨウニナッテ
 シャブッタ。死ヌ、死ヌ、ト思イナガラシャブッタ。」(P94)

 「死ぬ、死ぬ、と思いながらしゃぶった」・・ここまでくると滑稽ではありません。
 この日、老人の血圧は200を超えました。もし死んでいたら、サイコーの最後ですよ。

 このあとも、老妻に隠れて颯子に迫る、老人のヘンタイぶりが実にいじらしいです。
 一方で、一枚上手の颯子は老人を手玉に取り、300万の指輪をまんまと手に入れます。

 改築のためのお金をせしめられた老人は、しかし勝ち誇った颯子を見て喜ぶのです。
 そんな老人が、子供のようでかわいらしいです。これはマゾ的な快楽でしょうか。

 ところで、この作品を私は、ユーチューブで聴きながら読みました。
 ユーチューブには、さまざまな文学の朗読が揃っているのですね。



 余談ですが、作中の老人は頸椎症で、首吊り機で顎の牽引をしていました。
 私も頸椎症で、同じリハビリをやりました。老人に親しみが湧いてしまいました。

 ただし彼は77歳、私は54歳。腕の痺れがくるには、私はまだ早すぎたようです。
 最近は少し良くなりました。痺れがだいぶやわらいできています。

 さいごに。(五輪開幕!)

 新型コロナの影響で史上初の1年延期となり、緊急事態宣言下で行われる東京五輪!
 よく開催してくれました。関係者の皆さん、スタッフの皆さん、本当にご苦労様です。

 この五輪は、特別な大会です。必ず歴史に残る大会です。
 今はみんなで一致団結して、オリンピックを成功に導いてほしいです。

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夕暮まで [日本の近代文学]

 「夕暮まで」 吉行淳之介 (新潮文庫)


 処女にこだわる若い杉子との交際を軸に、中年男佐々のけだるい生活を描いています。
 七章からなる連作小説で、1978年に出て話題となり、1980年には映画化されました。


夕暮まで (新潮文庫)

夕暮まで (新潮文庫)

  • 作者: 淳之介, 吉行
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1982/05/27
  • メディア: 文庫



 40過ぎで、妻と中学生の娘を持つ佐々は、杉子という若い女性と付き合っています。
 杉子は、処女性にこだわっていて、ホテルでは最後の一線だけを許そうとしません。

 杉子との交際が1年半ほどになったとき、彼女の周りに若い男の影がちらつき・・・
 そしてあるとき杉子は・・・

 正直に言って私には、やや難解な小説でした。よく分からない部分がありました。
 第一、杉子との性行為の描写があるのに、処女というのはどういうことなのか?

 「杉子は仰向けになって、全身を真直ぐに伸ばしている。
  両脚が堅く合さって、横腹にはそれぞれ左右の腕が貼りついたようになっている。
 強く締め合せた腿の付根の窪みに、オリーブオイルを滴らせ、佐々は覆いかぶさって
 ゆく。」(P40)

 要するにこれは、風俗で言う「スマタ」というやつです。
 刊行当時、「スマタ」で終わらせる設定が、話題となったのだそうです。

 杉子がそこにこだわるのは、処女であることが大事な武器だと考えているからです。
 そしてこの状況は、家庭のある佐々にとっても、心地よいものだったのではないか。

 逆に、佐々にとって一番怖いのは、杉子の次のような一言だったのではないか。
 「佐々さん、あたしと結婚することはできないの」(P87)

 杉子が一線を許さなかったのは、佐々に無理やり奪ってほしかったからではないのか?
 だから、わざと若い男といちゃついたり、佐々を挑発したりしたのではないか?

 しかし、佐々は決して杉子とそのことで、向き合おうとしませんでした。
 だから絶望した杉子は、あのような行動を取ったのではないのか?

 私自身もこの小説を読んで、佐々という男の生き方に、いらだちを覚えました。
 男は、特に父親は、こんなふうになっちゃダメですよ。もっと家庭を大事にしろ!

 佐々にはほかにも、みえ子、祐子、園子などの女がいました。
 でも、どうして不倫に走ってしまうのか描かれていないので、共感できませんでした。

 不倫は、自分も含めて、誰も幸せにしません。ただただ虚しいだけです。
 ということを、私を含めて世の男たちに分からせたことが、この作品の美点でしょう。

 私のとって「夕暮まで」は、けだるくてむなしいエロ小説でしかありませんでした。
 吉行淳之介の代表作は、やはり娼婦小説かなあ。
 「原色の街・驟雨」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2020-12-21

 さいごに。(私の株が一瞬上がる)

 家の中に蜘蛛が出ました。娘のてのひらぐらいある大きな蜘蛛です。
 それをつかまえて、庭に放しました。そのときだけ、「さすがパパ」と言われました。

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黒蜥蜴 [日本の近代文学]

 「黒蜥蜴」 江戸川乱歩 (創元推理文庫)


 美しき女盗賊「黒蜥蜴」と、名探偵明智小五郎の対決を描いた、傑作推理小説です。
 三島由紀夫が脚本化し、1968年に三輪明宏(丸山明宏)主演で映画化されました。

 岩波文庫、春陽堂文庫などからも出ていますが、オススメは創元推理文庫でしょう。
 連載時のすばらしい挿絵が、全点が復刻されています。読書の楽しさが倍増します。


黒蜥蜴 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

黒蜥蜴 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

  • 作者: 江戸川 乱歩
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1993/05/12
  • メディア: 文庫



 暗黒街に君臨する貴婦人の左腕には、真っ黒なトカゲの入れ墨がありました。
 その刺青ゆえに「黒蜥蜴(クロトカゲ)」と呼ばれる彼女は、女盗賊だったのです。

 黒蜥蜴が狙いを定めたのは、世界的宝石商の岩瀬が持つダイヤ「エジプトの星」。
 「エジプトの星」を手に入れるため、岩瀬の一人娘である早苗の誘拐を試みました。

 黒蜥蜴からの犯罪予告を受け、岩瀬が護衛を頼んだのは、名探偵の明智小五郎です。
 岩瀬たちが泊まるホテルにいた緑川夫人は、実は黒蜥蜴の仮の姿だったのです・・・

 黒蜥蜴はいかにして早苗を誘拐し、明智はいかにして奪い返したか?
 黒蜥蜴が二度目に早苗を誘拐した奇想天外な方法とは? 明智はいかに動いたか? 

 逆転に次ぐ逆転。してやったりと思ったら、してやられていたり・・・
 敵同士張り合いながらも、相手をリスペクトし、やがて不思議な感情が芽生えます。

 この小説の最大の魅力は、なんと言っても女盗賊「黒蜥蜴」の妖しい魅力でしょう。
 時に非情で残虐、時に女らしい。黒蜥蜴の存在感は、明智小五郎を圧倒しています。

 「もう君を憎んでやしない。かわいそうにさえ思っている・・・」
 「あたし、あなたに負けましたわ。なにもかも」

 ラストシーンは忘れられません。
 黒蜥蜴は敵対してきた明智小五郎に、いったい何を頼んだのか?!
  
 この物語を舞台化したい、映画化したい、という気持ちはとてもよく分かります。
 映画では、黒蜥蜴の魅力がさらに際立つアレンジや演出が、されているようです。

黒蜥蜴映画.jpg 

 さいごに。(ビルボード・トップ100)

 最近よくユーチューブで、「ビルボード・トップ100」の視聴しています。
 私の青春時代だった80年代の、懐かしい洋楽がたくさん聞くことができて嬉しい。



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吉野葛・盲目物語 [日本の近代文学]

 「吉野葛・盲目物語」 谷崎潤一郎 (新潮文庫)


 「吉野葛」は、昔の同級生と一緒に、吉野を旅した時の出来事を綴った物語です。
 「盲目物語」は、織田信長の妹お市の方の数奇な運命を、盲人が語った物語です。


吉野葛・盲目物語 (新潮文庫)

吉野葛・盲目物語 (新潮文庫)

  • 作者: 潤一郎, 谷崎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2021/02/21
  • メディア: 文庫



 「吉野葛」の語り手は、吉野を舞台にした小説を企てている、小説家の「私」です。
 「私」は、一高時代の友人で吉野に詳しい津村に誘われ、吉野を巡る旅に出ました。

 二人は菜摘の里である家を訪れ、静御前のものとされる「初音の鼓」を見ました。
 これは、親狐の皮で張ってあり、静が打ち鳴らすと忠信狐が現れるというものです。

 津村は言います。「自分はあの鼓を見ると自分の親に会ったような思いがする」と。
 津村の持つ母の記憶は、わずかに三味線の「狐噲(こんかい)」を弾く姿だけです。

 母に宛てた手紙にあった、「白狐の命婦之進(びゃっこのみょうぶのしん)」とは?
 吉野の国栖のある家で見た、稲荷の祠は? そこで見た少女は・・・

 なぜかとても懐かしい気持ちになる作品です。そして、吉野を旅したくなります。
 結末が不思議です。「コーン」という下駄の音は、何を暗示しているのでしょうか?

 「盲目物語」の語り手は、信長の妹であるお市の方のおそばに仕えた盲人の男です。
 浅井の城で奉公していた彼は、信長の元より長政に嫁いだお市の方に仕えました。

 按摩として働くうちに、手の感触を通してお市の方の美しさを知り、恋焦がれます。
 やがて信長と長政が対立し、長政が滅亡して、お市は信長のもとに届けられました。

 盲人もまたお市とともに、清洲城で穏やかな日を過ごしますが、本能寺の変で・・・
 お市の方は今度は柴田勝家に嫁いだが、一年もたたずに秀吉に敗れて・・・

 「おくがたは三十路にちかくおなりあそばし、お年をめすにしたがっていよいよ御
 きりょうがみずぎわ立たれ、ようがんますますおんうるわしく、つゆもしたたるば
 かりのくろかみ、芙蓉のはなのおんよそおい、そのうえふくよかにお肥えなされた
 おからだのなよなよとしてえんなることと申したら、」(P146)

 盲人の言葉ですが、ある意味、非常にエロティックな描写だと思います。
 盲人でありながら、なぜ見てきたことのように、お市の方の美しさを語れるのか?

 それは、彼が生涯をかけてお市の方を愛していたから。実に谷崎的なテーマです。
 彼の愛は本当は、お市の方とともに死ぬことによって、貫徹されるはずでした。

 「死ぬべきおりに死なないと死ぬにもまさるはずかしめをうけますことは、わたく
 しもしみじみおぼえがござります。」(P205)

 この言葉は、お市の方の言葉の引用ですが、そのまま盲人自身の言葉でもあります。
 彼もまた、死ぬべきおりに死ねなかった人間。余生は死んだように生きるしかない。

 さいごに。(2021年3月発売の気になる文庫本)

・3/8 「ロード・ジム」 コンラッド (河出文庫)
 → 講談社文芸文庫の鈴木健三訳で読みましたが、とても分かりにくかったです。
   河出世界文学全集版の柴田訳が、ようやく文庫で登場。出たら迷わず買い。

・3/10 「ミドルマーチ 4」 ジョージ・エリオット (古典新訳文庫)
 → 全4巻がこれで完結。他の文庫では読めません。出たら迷わず4冊揃いで買い。

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「刺青」ほかフェティシズム小説集・犯罪小説集 [日本の近代文学]

 「谷崎潤一郎フェティシズム小説集」 谷崎潤一郎 (集英社文庫)


 1910年発表の短編「刺青」は、刺青師が自分の理想とする女に刺青を施す物語です。
 永井荷風に激賞されて、のち50年間の活動の原点となった名作です。


谷崎潤一郎フェティシズム小説集 (集英社文庫)

谷崎潤一郎フェティシズム小説集 (集英社文庫)

  • 作者: 谷崎 潤一郎
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/09/20
  • メディア: 文庫



刺青・秘密 (新潮文庫)

刺青・秘密 (新潮文庫)

  • 作者: 潤一郎, 谷崎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2021/01/04
  • メディア: 文庫



 腕利きの彫り物師の清吉は、理想の女に己の魂を彫り込むことを宿願としています。
 ある日清吉は、十六か七の、美しい器量と魅惑的な足を持つ小娘に出会いました。

 清吉は、この娘こそ男を肥やしとする妲己(だっき)のような女だと見抜きました。
 清吉は娘を麻酔剤で眠らせ、その背に全生命をかけて女郎蜘蛛の刺青を施しました。

 「おれはお前をほんとうの美しい女にするために、刺青の中へおれの魂をうち込んだ
 のだ、もう今からは日本中に、お前に優る女はいない。(中略)男という男は、皆な
 お前の肥料になるのだ。・・・」(P19)

 娘が動き出すと、背中の女郎蜘蛛もまた生けるがごとく動き出し・・・
 清吉は、刺青を施すことで、まっさきに娘の肥やしとなったのでした・・・

 女郎蜘蛛のメスは、オスの2倍の体を持ち、表面の模様も美しいのだそうです。
 この刺青を背負った娘が、今後いかに男を食い物にしていくか、考えると恐ろしい。

 わずか14ページ足らずですが、とても印象に残る作品です。
 耽美、魔性、足フェチ、マゾ・・・谷崎らしさがすべて盛り込まれています。

 さて、谷崎の足フェチを、最も露骨に表現している作品が「富美子の足」でしょう。
 61歳の隠居が17歳の富美子の足に執着するさまを、書生の「僕」が描いています。

 隠居は妾の富美子を縁台に座らせ、自分は犬の真似をしてその足にじゃれつき・・・
 病気でそれができなくなると、「僕」に犬役をやらせて自分はそれを鑑賞して・・・

 「お富美や、後生だからお前の足で、私の額の上をしばらくの間踏んでいておくれ。
 そうしてくれれば私はもうこのまま死んでも恨みはない。・・・」(P131)

 もうひとつ「蘿洞(らどう)先生」もまた、愛すべきヘンタイ野郎を描いています。
 新聞記者が、蘿洞先生の家で垣間見た光景は・・・フェチというよりマゾですが。

 さて、集英社の谷崎潤一郎シリーズには、もうひとつ「犯罪小説集」があります。
 4編収録されていますが、それぞれ違った面白さがありました。


谷崎潤一郎犯罪小説集 (集英社文庫)

谷崎潤一郎犯罪小説集 (集英社文庫)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2007/12/14
  • メディア: 文庫



 「マゾヒズム小説集」は紹介済み→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2020-11-17

 「柳湯の事件」は、湯屋でのぬらぬらした不気味な触覚が忘れられなくなります。
 「僕は人を殺したかもしれません」と言って、入って来た青年が語ることは・・・

 「白昼鬼語(はくちゅうきご)」は、最後まで結末が分からないミステリーです。
 「お前に殺人の光景を見せてやる」と言う園村に連れられ、行ってみると・・・

 すべてを吸い尽くす魔性の女と、崇拝する女に命まで捧げてしまおうとする男。
 E・A・ポーのデカダンスと、谷崎のマゾが、絶妙に絡み合った作品でした。

 しかし私には、谷崎の犯罪小説は、どうも中途半端な感じがしてしまいました。
 谷崎の本領はやはり、マゾ小説やフェティ小説で発揮されているように思います。

 さいごに。(ドキュメンタリーに昇格)

 先日ツタヤに「超ムーの世界R」をレンタルしに行ったところ、今までの棚にない。
 店員さんに聞いたところ、「ドキュメンタリー&バラエティ」の棚にありました!

 これまでは「お笑い」コーナーにあったので、違和感がありました。
 「超ムーの世界R」がドキュメンタリーであると認められて、ちょっと嬉しいです。

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 [日本の近代文学]

 「鍵」 谷崎潤一郎 (中公文庫)


 変態的嗜好を持つ夫と淫乱な妻の、それぞれの日記が交互に示されています。
 中公文庫版では、棟方志功による挿絵が50点以上挿入されていて、買いです。


鍵 (中公文庫 (た30-6))

鍵 (中公文庫 (た30-6))

  • 作者: 谷崎 潤一郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1973/12/10
  • メディア: 文庫



 一月一日、夫は妻が読むことを半ば期待して、日記に閨房のことを書き始めました。
 妻もまた、夫が読むことを前提に日記を書き始め、二人の日記が交互に展開します。

 夫は56歳。妻を深く愛しているものの、妻を満足させていないことを気にしている。
 妻は45歳。まだとても美しく世にもまれな名器を持ち、淫乱でアノ方は病的に強い。

 一月四日、妻は書斎で鍵を拾いました。それは、夫の日記がある引き出しの鍵・・・
 二人は、お互いの日記を読んでいないという振りをしていますが・・・

 夫婦には娘がいて、娘には木村という恋人がいますが、木村は妻に気があります。
 夫は木村に嫉妬しますが、その嫉妬が大きいほど、性的な快楽を味わうのです!

 あるとき4人でブランデーを飲み、妻が風呂場で倒れて、ベッドに運ばれました。
 妻の全裸姿を眺めた夫は興奮して・・・妻は「木村さん」とうわごとを言い・・・

 よせばいいのに夫は、妻に何度もブランデーを飲ませ、その度にいたずらをします。
 妻は何をされるか分かっていながら、ブランデーを飲んでは必ず風呂場で倒れます。 

 アホかと思いながらも、しだいにそんなヘンタイ夫婦に愛着を感じてきます。
 特に夫の方は、妻への愛が切々と感じられ、読んでいるうちに可愛くなってきます。

 そしてしまいには夫は、とうとう妻の上で・・・
 あっぱれ! 男は誰しも、このヘンタイ教授を見習うべきでしょう。

 面白いのは、夫が一種の境に入っているように描かれているところです。
 ある意味彼は、ある種の悟りを開いたのかもしれません。

 「ソノ時僕ハ第四次元ノ世界に突入シタトイウ気ガシタ。タチマチ高イ所、忉利天
 ノ頂辺ニ登ッタノカモ知レナイト思ッタ。」(P100)

 ところで、最後の方の妻の日記は、謎解きの意味合いがあって面白いのですが、
 やや説明的すぎるように感じました。もう少し謎を残した方が良かったのでは?

 「鍵」という作品は、「痴人の愛」以上にヘンタイ感が大きいです。
 ところが、棟方志功の野性味あふれる版画が、作品の芸術性を支えています。

 「鍵」は新潮文庫版もありますが、棟方志功の挿絵がある中公文庫版がオススメ。
 カバーイラストもサイコーです。次は、「瘋癲老人日記」を読みたいです。


瘋癲老人日記 (中公文庫)

瘋癲老人日記 (中公文庫)

  • 作者: 谷崎 潤一郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2001/03/25
  • メディア: 文庫



 さいごに。(体重70キロ超!)

 いつものことですが、冬になると体重が増えてしまいます。
 今年は毎日運動をしていたので、2キロ増えて68キロぐらいかと思っていました。

 ところが、久しぶりに昨日体重を計ったら、なんと71キロありました!
 家の体重計が狂ったと思って、職場の体重計で計ってみたけど、やはり71キロ!

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プールサイド小景・静物 [日本の近代文学]

 「プールサイド小景・静物」 庄野潤三 (新潮文庫)

                                      
 1950年代に刊行され、庄野潤三の代表作となっている7編を収録した短編集です。
 「静物」が、村上春樹の「若い読者のための短編小説案内」で紹介されています。


プールサイド小景・静物 (新潮文庫)

プールサイド小景・静物 (新潮文庫)

  • 作者: 潤三, 庄野
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2020/12/08
  • メディア: 文庫



 恥ずかしながら私は、村上春樹の上掲の本を読んで、初めて庄野潤三を知りました。
 特に「静物」については詳しく解説されていたので興味を持ちました。

 「静物」は、ある5人家族の日常生活が、まるで静物画のように並べられています。
 子どもと釣りに行ったことや映画に行ったこと、ある新聞記事、新婚時の回想・・・

 18のエピソードをたどっていくうちに、しだいに家族の状況や雰囲気が分かります。
 そして、そこに見え隠れする何かが、我々読者の不安をかきたてるのです。

 エピソード2で、主人公の男は、妻の冷たくなった手足のことを思い出し・・・
 エピソード3で、死んで生き返った少女の話が、なぜか話題となっていて・・・

 エピソード5で、「あんなことがあった後では」と、何か事件をほのめかし・・・
 エピソード7で、「眠り続ける母を見ても・・・」と、イミシンな記述があり・・・

 どうやら妻に何かあったらしいのですが、何があったのかは全く書かれていません。
 だから推測するしかないのですが、それにしても材料不足だと思いました。

 村上春樹の本では、謎の部分がはっきり示されていたので、ありがたかったです。
 村上春樹の本を読んでいなかったら、「静物」を理解することができませんでした。

 この作品には、エピソードをそのまま並べて提示する、という特徴があるようです。
 この手法について村上春樹は、以下のような興味深い考察をしています。

 「『この作品はいちいち細部の説明・解説をしなくていいのだ」ということが最初か
 ら頭にあったはずです。『静物画を壁に並べるみたいに、ひとつひとつ丁寧に壁にか
 けていけばそれでいいのだ。それが意味と流れを自発的に作り出すのだから』という
 風に。』(「若い読者のための短編小説案内」P132)

 なお、最近になって読書仲間から、次のような有益な指摘をされました。
 「静物」とは、動かなくなった妻のことを言っているのである、と。なるほど。

 「プールサイド小景」もまた庄野潤三らしい作品ですが、ずっと分かりやすいです。
 会社のカネを使い込んでクビになった男と、その妻の心理を淡々と描いています。

 ある会社の課長代理の青木は、夕食前に家族でプールに泳ぎに来ていました。
 はたから、これぞ本当の生活だと思われていましたが、彼らには秘密があり・・・

 青木は、なぜ会社のカネを使い込むようになったのか?
 青木は、なぜ安っぽいバアに通うようになったのか?

 「男が毎朝背広に着換えて電車に乗って遠い勤め先まで出かけて行き、夜になると
 すっかり消耗して不機嫌な顔をして戻って来るという生活様式が、そもそも不幸の
 もとではないだろうか。」(P75)

 「舞踏」は職場で浮気している男と、夫に愛されたいと願う妻を描いた物語です。
 二人は結婚5年目。夫の不倫に気付きながら、妻は夫のことを思い続けています。

 男は、すすり泣く妻を叱ったり、説教したり・・・要するにサイテー野郎です。
 一方、妻はひたむきでいじらしい。こういう奥さんはめったにいませんよ!

 結末が描かれていないところが、庄野潤三らしい。ある意味、怖い終わり方です。
 「あとのことを?」と言って笑った妻・・・いったいどのような行動に出るのか?

 そして「静物」は、この物語の続編のようなのです。10年後ぐらいでしょうか。
 つまり、「舞踏」の妻はこのあと・・・

 「イタリア風」は、知り合ったイタリア出の男と再会する、少し悲しい物語です。
 ほか「相客」「五人の男」「蟹」は、いまひとつ面白さが分かりませんでした。

 庄野潤三の作品はほかに、「夕べの雲」(講談社文芸文庫)があります。
 郊外における日常生活をさらりと描いた、庄野潤三らしい作品なのだそうです。


夕べの雲 (講談社文芸文庫)

夕べの雲 (講談社文芸文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1988/04/04
  • メディア: 文庫



 さいごに。(ケルヒャー大活躍)

 昨年の末に買ったケルヒャーの高圧洗浄機で、大掃除はとても楽になりました。
 特に外壁のコケを落とすのに、効果抜群でした。窓の外面もきれいになりました。

 ホームセンターで、携帯に便利なタイプを22000円で買ったけど、安かったです。
 と思っていたら、アマゾンでは同じものが16500円ほどで手に入ります。やられた!


ケルヒャー(KARCHER) 高圧洗浄機 K MINI 1.600-050.0

ケルヒャー(KARCHER) 高圧洗浄機 K MINI 1.600-050.0

  • 出版社/メーカー: ケルヒャー(Karcher)
  • メディア: Tools & Hardware



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