どくとるマンボウ航海記 [日本の現代文学]
「どくとるマンボウ航海記」 北杜夫 (新潮文庫)
水産庁の漁船の船医として、乗半年間世界を周遊した際の体験を描いた航海記です。
1960年に刊行され、ユーモア溢れる文章が大人気となったエッセイです。
ドイツ留学生試験に落ちた著者は、船医となって西洋を訪れる計画を立てました。
たまたま水産庁の漁業調査船が船医を探していると聞き、すぐに乗り込みました。
シンガポール、インド洋、スエズ運河、地中海、ポルトガル、そしてドイツ・・・
いろいろな寄港地における、さまざまな体験は、読んでいてまったく飽きません。
また、書かれている内容は多岐にわたります。良くも悪くも雑多ですね。
「ほう!」と感心する話のあとに、「はあ?」と唖然とする話が平気で続きます。
例えば、海に出ると便秘になるのは、海が揺れて腸が煽動を怠けるからだ、と言う。
その直後に、下剤を10倍飲みすぎて・・・という話が続いたりとか。
これを、「面白い」と評価するか、「くだらない」と思うかは、微妙なところです。
「あとがき」を読むと、著者はそのギリギリを狙っているようにも思えます。
「私はこの本の中で、大切なこと、カンジンなことはすべて省略し、くだらぬこと、
取るに足らぬこと、書いても書かなくても変りはないが書かない方がいくらかマシな
ことだけを書くことにした。」
そして実際、私にとって印象に残っているのは、どうでもいいことばかりです。
寄港地でたかられたとか、ポン引きに付いていったとか、醜い娼婦に接吻されたとか。
一方で、感慨深い話もあります。フランスで友人のTに会った時のエピソードです。
Tというのは、もちろん辻邦生です。二人は高校時代からの親友です。
辻は「ブッデンブローク家」冒頭を、一節ずつ書き抜いたカードを持っていました。
それを使って、マンの表現技法を説明してくれた、という部分は実にほほえましい。
二人は本当に仲がいいんですね。そして本当にトーマス・マンが好きなんですね。
そのあとの著者の文章がまたすばらしい。
「持つべきものは友であり、また友などというものは少ないほどよい。
沢山友なるものを持っている人はどんどん絶交すべきである。」(P147)
辻は留学中に書いた小説を北杜夫に送って、それが最初の発表作になりました。
そして、パリから帰国したあと、辻邦生は小説家として本格的に活動し始め・・・
さて、どくとるマンボウのラストは、ばかばかしい大法螺で締めくくられました。
航海中に手に入れたガス・ピストルは、いったいどうなったのか!?
本当は日本に持ち帰り、あるときやってきた当局によって没収されたらしいです。
当局に目をつけられたのは、本が売れすぎたから。最後まで話題に欠かなかった!
さいごに。(HIROのCD)
私はかつてSPEEDのファンで、特に島袋寛子(HIRO)の歌声が好きでした。
先日ブックオフで、HIROのソロアルバム2枚、ほとんど新品のものを見つけました。
その値段、なんと税込みで280円でした! あまりにも悲しくて2枚とも買いました。
ちなみにSPEEDの再結成アルバムは、中古で110円! 泣きながらこれも買いました。
以上が、私がゲットしたCD3枚です。
しかし、アマゾンでは、どれもこれも1円! なんということか!
水産庁の漁船の船医として、乗半年間世界を周遊した際の体験を描いた航海記です。
1960年に刊行され、ユーモア溢れる文章が大人気となったエッセイです。
ドイツ留学生試験に落ちた著者は、船医となって西洋を訪れる計画を立てました。
たまたま水産庁の漁業調査船が船医を探していると聞き、すぐに乗り込みました。
シンガポール、インド洋、スエズ運河、地中海、ポルトガル、そしてドイツ・・・
いろいろな寄港地における、さまざまな体験は、読んでいてまったく飽きません。
また、書かれている内容は多岐にわたります。良くも悪くも雑多ですね。
「ほう!」と感心する話のあとに、「はあ?」と唖然とする話が平気で続きます。
例えば、海に出ると便秘になるのは、海が揺れて腸が煽動を怠けるからだ、と言う。
その直後に、下剤を10倍飲みすぎて・・・という話が続いたりとか。
これを、「面白い」と評価するか、「くだらない」と思うかは、微妙なところです。
「あとがき」を読むと、著者はそのギリギリを狙っているようにも思えます。
「私はこの本の中で、大切なこと、カンジンなことはすべて省略し、くだらぬこと、
取るに足らぬこと、書いても書かなくても変りはないが書かない方がいくらかマシな
ことだけを書くことにした。」
そして実際、私にとって印象に残っているのは、どうでもいいことばかりです。
寄港地でたかられたとか、ポン引きに付いていったとか、醜い娼婦に接吻されたとか。
一方で、感慨深い話もあります。フランスで友人のTに会った時のエピソードです。
Tというのは、もちろん辻邦生です。二人は高校時代からの親友です。
辻は「ブッデンブローク家」冒頭を、一節ずつ書き抜いたカードを持っていました。
それを使って、マンの表現技法を説明してくれた、という部分は実にほほえましい。
二人は本当に仲がいいんですね。そして本当にトーマス・マンが好きなんですね。
そのあとの著者の文章がまたすばらしい。
「持つべきものは友であり、また友などというものは少ないほどよい。
沢山友なるものを持っている人はどんどん絶交すべきである。」(P147)
辻は留学中に書いた小説を北杜夫に送って、それが最初の発表作になりました。
そして、パリから帰国したあと、辻邦生は小説家として本格的に活動し始め・・・
さて、どくとるマンボウのラストは、ばかばかしい大法螺で締めくくられました。
航海中に手に入れたガス・ピストルは、いったいどうなったのか!?
本当は日本に持ち帰り、あるときやってきた当局によって没収されたらしいです。
当局に目をつけられたのは、本が売れすぎたから。最後まで話題に欠かなかった!
さいごに。(HIROのCD)
私はかつてSPEEDのファンで、特に島袋寛子(HIRO)の歌声が好きでした。
先日ブックオフで、HIROのソロアルバム2枚、ほとんど新品のものを見つけました。
その値段、なんと税込みで280円でした! あまりにも悲しくて2枚とも買いました。
ちなみにSPEEDの再結成アルバムは、中古で110円! 泣きながらこれも買いました。
- アーティスト: 葉山拓亮,伊秩弘将,安岡優,Tommy february6,つんく,EMA,CHARA,水島康貴,岩田雅之,旭純
- 出版社/メーカー: エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
- 発売日: 2003/11/27
- メディア: CD
以上が、私がゲットしたCD3枚です。
しかし、アマゾンでは、どれもこれも1円! なんということか!