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石蹴り遊び2 [20世紀ラテンアメリカ文学]

 「石蹴り遊び 下」 コルタサル作 土岐恒二訳 (集英社文庫)


 絶対的なものを求めて彷徨する、アルゼンチン青年オリベイラを描いた長編小説です。
 全155章、三部構成です。いくつもの読み方ができるという、唯一無二の作品です。


石蹴り遊び(下) (ラテンアメリカの文学) (集英社文庫)

石蹴り遊び(下) (ラテンアメリカの文学) (集英社文庫)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1995/01/20
  • メディア: 文庫



 第二部「こちら側から」に入ると、舞台はパリからブエノスアイレスに移ります。
 オリベイラは旧友トラベラーを頼り、その妻タリタと、三人暮らしが始まります。

 ところが、書いてある内容が曖昧で、どうもよく分からないのです。
 しばらくのちにオリベイラは、精神病院で生活を始めているようだし・・・

 「わたしはわたしなり、わたしは彼なり。わたしたちはあり、しかしわたしたちは
 わたしなり、まず第一にわたしはわたしなり、わたしは守りとおすであろう、力の
 及ぶかぎり、わたしであることを。」(下巻P39)

 そして、「分身」とか「相棒(ドッペルゲンガー)」とかいう言葉が頻出します。
 さらに、次のようなイミシンな会話が突如現れます。

 「あれがタリタだということはぼくも知っているけど、ちょっと前にはあれはラ・
 マーガだったんだ。彼らは二人なんだよ、ぼくらのように」(下巻P136)

 いったい、どういうことなのか? オリベイラは、どうなってしまったのか?
 もやもやします。ネタバレで詳しいあらすじがあったら、ありがたいのですが。

 第26章や第31章には、オリベイラについて、こんなことが書かれていました。
 今振り返ってみると、なかなかイミシンな言葉です。

 「彼は、パリのどこかに、ある日、ある死、あるいはある出会いの中に、ひとつの
 鍵があるのではないかと考えて、それを狂気のように探しています。」(P211)

 「なにかって言うとあなたは探しものばかりしていましたが、あなたの探していた
 ものはポケットの中に入っていたんだっていう気がするんですよ」(P300)

 絶対的な真理を、あちこち探しまわったが、そんなものは見つからなかった、
 それは、分身であるもう一人が握っているのだ、ということでしょうか?

 さて、改めて物語を思い返して、三分の一ほどしか理解できなかったと思いました。
 結末がどうなったのかさえ、私には分かりませんでした。あーあ。

 この作品にはいろいろな仕掛けがあるので、ぜひ読んで確かめてみてと言われます。
 実際に読んでみたけど難しくて、その仕掛けに私は気づきませんでした。あーあ。

 自分の理解力の無さを棚に上げて言うなら、これは文学ではなく、「遊び」ですよ。
 まさにタイトル通り、人をあっちこっちに連れまわす「石蹴り遊び」なのです。

 そういえば誰かがレビューに、この作品について書いていました。
 「この本はゲームブックのはしりだ」と。ゲームブック! うまいことを言う。

 ゲームブックが廃れたように、この作品も今ではほとんど顧みられなくなりました。
 文庫本が復刊される見込みは少ないでしょう。そういう意味でこれは貴重な本です。

 私は2000円と少し出して、中古でこの本を上下二冊購入しました。
 しかし今では、「コルタサルは短編」と割り切ることをオススメします。

 さいごに。(腹筋を2週間で)

 陸上仲間の友人に、「Get abs in 2 WEEKS」という動画を紹介されました。
 女性用だというので、気軽にやってみたのですが、たいへんでたいへんで・・・

 わずか10分ですが、へとへとになります。というか、最後までできません。
 → https://www.bing.com/videos/search?q=get+abs+in+2weeks&&view=detail&mid=A51718C0D63A328F6609A51718C0D63A328F6609&&FORM=VRDGAR&ru=%2Fvideos%2Fsearch%3Fq%3Dget%2520abs%2520in%25202weeks%26qs%3Dn%26form%3DQBVRMH%26sp%3D-1%26pq%3Dget%2520abs%2520in%25202weeks%26sc%3D0-17%26sk%3D%26cvid%3D83170AD0E0784B47A4670DE83C8DE13C

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