自分の考え整理法 [読書・ライフスタイル]
「自分の考え整理法」 鷲田小彌太 (PHP文庫)
著者が日ごろから行っている考える技術を、軽快な語り口で教えてくれる著書です。
著者はヘーゲルなどの研究家ですが、読書論や思考法の本もたくさん書いています。
意識的に三つの命題で考えます。ひとつ命題を出したら、続く命題を考えます。
三つ目の命題は、最初の命題とつながり、1→2→3→1という展開をします。
これが、長い間人類がすっきりものを考える場合に用いてきた常套手段です。
最初は目前にある問題から出発してみると、自然とつながっていくもので・・・
以上、第一部「三分割で考える」が、本書の最も特徴的な部分だと思いました。
しかし、私にとっていちばん興味深かったのは、第二部「実践読書法」でした。
著者は、本は道具だから線を引いたり切ったり、自由に扱っていいと言います。
そのためにも本は買うべきで、再利用可能な状態にしておくべきだと言います。
また、読書は他人の思考回路を経験することで、ハマると世界に入り込みます。
「ノルウェイの森」などは、主人公と一緒に死んでもいいと思ったそうです。
ほかにも、ひとりで読んでみんなで話すとか、自分の「この人を見よ」を見つけ
ろとか、共感する箇所が多かったのですが、最も印象的だったのは次の言葉です。
「一日に活字を一つも見なければ、気が狂ってしまう、というのが、普通の人間
であります。一日に活字を見なくても、何にも感じないという水準に、もし、あ
なた方がいたら、まだ人間になってない、と思ってください。」(P127)
本を読まない友人に、「人生の楽しみを失っている」と言ったことがあります。
彼は、「酒を飲まないことこそ、人生の楽しみを失っている」と返しましたが。
さて、最終の第三部「難問突破法」では、割と好き勝手なことを言っています。
たとえばP194からの大前研一批判は、読んでいて笑えました。
正直な感想を言うと、第三部はなんだか漫談になってきたように思いました。
私は本書の中心を第二部と考えて、これを「読書法」の本と位置づけています。
ところで、著者にはほかに「やりたいことがわからない人たちへ」があります。
30代の初めころ、文庫本で出て評判だったので、読んでみました。
やりたいことを求め続け、結局何もしないで人生が終わってしまう人もいます。
やりたいことはいくらでも転がっているのに、それを拾わない億劫な人が多い。
やりたいことを探す前に、まず目の前の仕事に全力で取り組んでみるべきです。
始めたことをある程度続けてみて、初めてやりたいことが見えてくるのです。
と、非常にまっとうなことを教えてくれています。
「仕事ができない人は雑用もできない」と、鋭い指摘もあって有意義な本です。
ただ、私はこういう想像もしています。
「やりたいことがわからない人たち」が、安易にこの本を手に取ったのでは?
さいごに。(帰りにラーメン)
6月に文化祭があります。娘は小道具係になって、連日遅くまで活動しています。
先日は特に遅くなったので、係りの仲間たちとラーメンを食べて帰ってきました。
感心してしまいました。
くそまじめでモジモジさんの娘が、学校帰りに仲間とラーメンを食べるなんて!
著者が日ごろから行っている考える技術を、軽快な語り口で教えてくれる著書です。
著者はヘーゲルなどの研究家ですが、読書論や思考法の本もたくさん書いています。
「自分の考え」整理法 頭を軽快にする実践哲学講座 PHP文庫
- 作者: 鷲田 小彌太
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2014/12/12
- メディア: Kindle版
意識的に三つの命題で考えます。ひとつ命題を出したら、続く命題を考えます。
三つ目の命題は、最初の命題とつながり、1→2→3→1という展開をします。
これが、長い間人類がすっきりものを考える場合に用いてきた常套手段です。
最初は目前にある問題から出発してみると、自然とつながっていくもので・・・
以上、第一部「三分割で考える」が、本書の最も特徴的な部分だと思いました。
しかし、私にとっていちばん興味深かったのは、第二部「実践読書法」でした。
著者は、本は道具だから線を引いたり切ったり、自由に扱っていいと言います。
そのためにも本は買うべきで、再利用可能な状態にしておくべきだと言います。
また、読書は他人の思考回路を経験することで、ハマると世界に入り込みます。
「ノルウェイの森」などは、主人公と一緒に死んでもいいと思ったそうです。
ほかにも、ひとりで読んでみんなで話すとか、自分の「この人を見よ」を見つけ
ろとか、共感する箇所が多かったのですが、最も印象的だったのは次の言葉です。
「一日に活字を一つも見なければ、気が狂ってしまう、というのが、普通の人間
であります。一日に活字を見なくても、何にも感じないという水準に、もし、あ
なた方がいたら、まだ人間になってない、と思ってください。」(P127)
本を読まない友人に、「人生の楽しみを失っている」と言ったことがあります。
彼は、「酒を飲まないことこそ、人生の楽しみを失っている」と返しましたが。
さて、最終の第三部「難問突破法」では、割と好き勝手なことを言っています。
たとえばP194からの大前研一批判は、読んでいて笑えました。
正直な感想を言うと、第三部はなんだか漫談になってきたように思いました。
私は本書の中心を第二部と考えて、これを「読書法」の本と位置づけています。
ところで、著者にはほかに「やりたいことがわからない人たちへ」があります。
30代の初めころ、文庫本で出て評判だったので、読んでみました。
「やりたいこと」がわからない人たちへ 人生にとって「仕事」とは何か? PHP文庫
- 作者: 鷲田 小彌太
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2014/12/12
- メディア: Kindle版
やりたいことを求め続け、結局何もしないで人生が終わってしまう人もいます。
やりたいことはいくらでも転がっているのに、それを拾わない億劫な人が多い。
やりたいことを探す前に、まず目の前の仕事に全力で取り組んでみるべきです。
始めたことをある程度続けてみて、初めてやりたいことが見えてくるのです。
と、非常にまっとうなことを教えてくれています。
「仕事ができない人は雑用もできない」と、鋭い指摘もあって有意義な本です。
ただ、私はこういう想像もしています。
「やりたいことがわからない人たち」が、安易にこの本を手に取ったのでは?
さいごに。(帰りにラーメン)
6月に文化祭があります。娘は小道具係になって、連日遅くまで活動しています。
先日は特に遅くなったので、係りの仲間たちとラーメンを食べて帰ってきました。
感心してしまいました。
くそまじめでモジモジさんの娘が、学校帰りに仲間とラーメンを食べるなんて!