賢者の石2(コリン・ウィルソン) [20世紀イギリス文学]
「賢者の石」 コリン・ウィルソン作 中村保男訳 (創元推理文庫)
意識を無限に拡大する能力を得た青年が、人類進化の謎の解明に挑むSF小説です。
1971年刊。第Ⅰ部「絶対の探求」、第Ⅱ部「夜の涯への旅」の二部構成です。
「私」は、前頭前部皮質に手術を施してから、意識が拡大するのを感じました。
さらに、過去に遡ってものごとを把握する「時間ビジョン」が可能になりました。
リトルウェイも手術を施し、その後、ふたりでストーン・ヘンジを訪れました。
パンフレットを読む「私」の心に、悪の気配とともに、ある光景が浮かびました。
それは、身の丈三メートルを越す、猿に似た巨人が平らな石を引きずっている様子。
調べてみると、中国やジャワで、巨人の化石が見つかっていることが分かりました。
リトルウェイの弟が、何年か前にトルコから、玄武岩の小像を持ち帰っていました。
「私」はそれに触れて悪の匂いを感じ、それが50万年前のものだと直感しました。
「私」の、ものごとを把握する能力(内視力)は、どんどん発達していました。
あるとき突如、故意に正体を隠している何者かの存在を、はっきりと感じました。
「私」が玄武岩の小像の起源を探ろうとすると、急に透視力が妨害されたのです。
何者かが、自分たちの調査を、目に見えない仕方で妨げようとしているようで・・・
と、「ムー民」的には心躍る展開です。また、第Ⅱ部からテンポがよくなりました。
さらに、謎が謎を呼び、様々な謎がつながっていきます。
マヤ文明衰退の謎と、その背後にあった「大いなる秘密」・・・
シルベリーの埋葬塚の奥深くで眠り、人類の詮索を嫌がる謎の存在・・・
とうとう「私」とリトルウェイは、ある結論に達しました。
人間が出現するはるか昔に、地球上には知性を持った生物が存在したのではないか?
その生物とは何か? それは今どこにいるのか? それが調査を妨害しているのか?
その謎を解くヒントは、怪奇作家ラヴクラフトの書いた「古き種族」の伝説に・・・
「ラヴクラフトによれば、『古きものども』がかつて遥かな星より来たり、一時、地
球を支配して、巨石をもって巨大な都市を築いたが、黒い魔術を使いすぎて自滅し、
現在は地下に”眠って”いるという。」(P312)
この展開に、私はたまげました。なんと、ラヴクラフトが出てくるとは!
私は知りませんでした。この作品もまた、クトゥルー神話のひとつだったとは!
本書「序文」から、ウィルソンがクトゥルー神話を書くに至った経緯が分かります。
ダーレス氏に「ラヴクラフトばりの作品を書いてみろ」と言われたからなのだ、と。
終盤に入ると、クトゥルー神話でおなじみの「ネクロノミコン」も登場します。
狂ったアラビア人アブドル・アルハズラットが著したとされる、架空の魔道書です。
また、「古きものども」はアーサー・マッケンからの借用だとも書いてありました。
マッケンには、「地下に生きる不思議な人々」についての物語があるのだそうです。
アーサー・マッケンの代表作は、ぜひこの次に読んでみたいと思っています。
特に、クトゥルー神話に影響を与えた「パンの大神」は、絶対に読みたいです。
さて、本書「賢者の石」は、ラストに近づくと、どんどんテンションが上がります。
いったいどんな結末が待っているのか? とても楽しみです。
さいごに。(300mハードル)
300mハードルという種目に出場しました。
47秒もかかってしまいました。(45秒くらいで走りたかった)
ハードルの高さは400mHと同じですが、久々だったので、とても高く感じました。
走り終わったあと、股関節が痛くて痛くて・・・
意識を無限に拡大する能力を得た青年が、人類進化の謎の解明に挑むSF小説です。
1971年刊。第Ⅰ部「絶対の探求」、第Ⅱ部「夜の涯への旅」の二部構成です。
「私」は、前頭前部皮質に手術を施してから、意識が拡大するのを感じました。
さらに、過去に遡ってものごとを把握する「時間ビジョン」が可能になりました。
リトルウェイも手術を施し、その後、ふたりでストーン・ヘンジを訪れました。
パンフレットを読む「私」の心に、悪の気配とともに、ある光景が浮かびました。
それは、身の丈三メートルを越す、猿に似た巨人が平らな石を引きずっている様子。
調べてみると、中国やジャワで、巨人の化石が見つかっていることが分かりました。
リトルウェイの弟が、何年か前にトルコから、玄武岩の小像を持ち帰っていました。
「私」はそれに触れて悪の匂いを感じ、それが50万年前のものだと直感しました。
「私」の、ものごとを把握する能力(内視力)は、どんどん発達していました。
あるとき突如、故意に正体を隠している何者かの存在を、はっきりと感じました。
「私」が玄武岩の小像の起源を探ろうとすると、急に透視力が妨害されたのです。
何者かが、自分たちの調査を、目に見えない仕方で妨げようとしているようで・・・
と、「ムー民」的には心躍る展開です。また、第Ⅱ部からテンポがよくなりました。
さらに、謎が謎を呼び、様々な謎がつながっていきます。
マヤ文明衰退の謎と、その背後にあった「大いなる秘密」・・・
シルベリーの埋葬塚の奥深くで眠り、人類の詮索を嫌がる謎の存在・・・
とうとう「私」とリトルウェイは、ある結論に達しました。
人間が出現するはるか昔に、地球上には知性を持った生物が存在したのではないか?
その生物とは何か? それは今どこにいるのか? それが調査を妨害しているのか?
その謎を解くヒントは、怪奇作家ラヴクラフトの書いた「古き種族」の伝説に・・・
「ラヴクラフトによれば、『古きものども』がかつて遥かな星より来たり、一時、地
球を支配して、巨石をもって巨大な都市を築いたが、黒い魔術を使いすぎて自滅し、
現在は地下に”眠って”いるという。」(P312)
この展開に、私はたまげました。なんと、ラヴクラフトが出てくるとは!
私は知りませんでした。この作品もまた、クトゥルー神話のひとつだったとは!
本書「序文」から、ウィルソンがクトゥルー神話を書くに至った経緯が分かります。
ダーレス氏に「ラヴクラフトばりの作品を書いてみろ」と言われたからなのだ、と。
終盤に入ると、クトゥルー神話でおなじみの「ネクロノミコン」も登場します。
狂ったアラビア人アブドル・アルハズラットが著したとされる、架空の魔道書です。
また、「古きものども」はアーサー・マッケンからの借用だとも書いてありました。
マッケンには、「地下に生きる不思議な人々」についての物語があるのだそうです。
アーサー・マッケンの代表作は、ぜひこの次に読んでみたいと思っています。
特に、クトゥルー神話に影響を与えた「パンの大神」は、絶対に読みたいです。
さて、本書「賢者の石」は、ラストに近づくと、どんどんテンションが上がります。
いったいどんな結末が待っているのか? とても楽しみです。
さいごに。(300mハードル)
300mハードルという種目に出場しました。
47秒もかかってしまいました。(45秒くらいで走りたかった)
ハードルの高さは400mHと同じですが、久々だったので、とても高く感じました。
走り終わったあと、股関節が痛くて痛くて・・・