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賢者の石3(コリン・ウィルソン) [20世紀イギリス文学]

 「賢者の石」 コリン・ウィルソン作 中村保男訳 (創元推理文庫)


 意識を無限に拡大する能力を得た青年が、人類進化の謎の解明に挑むSF小説です。
 すでに2回にわたって、紹介してきました。
 「賢者の石」1=https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2022-08-18
 「賢者の石」2=https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2022-08-21


賢者の石 (創元推理文庫 641-1)

賢者の石 (創元推理文庫 641-1)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1971/06/01
  • メディア: 文庫



 ヴァチカン図書館で、マヤの歴史と伝統が記された新しい文献が発見されました。
 「私」とリトルウェイは、さっそくマイクロフィルムにして送ってもらいました。

 そこには、星から降臨したイッグなる者の、地球におけるエピソードがありました。
 イッグが地球で生物を生み出し、「地の主」どもがイッグを地下に幽閉したという。

 しかし、イッグが生んだ生物は、「古きものども」が支配できないほど増えました。
 そこで「古きものども」は、人間を生み出して、自分たちの下僕としたと述べます。

 その後ふたりは、エヴァンジェリスタが書いた「世界最古史」なる本を知りました。
 その中に出てくる「ネクレミコン」は、「ネクロノミコン」のことのようなのです。

 そして「ネクレミコン」にも、次のようなことが記されているのだそうです。
 星から来た「闇の者ども」が、人間を創り出して自分たちの下僕とした、と。

 「ネクロノミコン」は、ラヴクラフトが創造した書物だと考えられてきました。
 しかし、「ネクロノミコン」のモデルとなった書物が、実在しているらしいのです。

 そのモデルと考えられているものの一つが、「ヴォイニッチ原稿」なるものです。
 それを翻訳したラング博士は、それを「ネクロノミコン」の一部だと考えました。

 そして、残りの原稿が、イギリスにあると信じるようになりました。
 というのも、アーサー・マッケンが、それを読んでいることは確実だから・・・

 というように、終盤は怒涛の展開です。
 しかも、完璧なクトゥルー神話です。

 「ネクロノミコン」はどこにあるのか? そこに書かれていることは真実なのか?
 人類は「古きものども」の下僕なのか? 「古きものども」は今どこにいるのか?

 「私」が、玄武岩の小像をある方法で内視すると、ムー大陸の光景が現れ・・・
 ムー大陸はいかにして統治されていたか? そして、いかにして滅んだのか?

 さらに、「私」が水晶を通して幻視した光景は・・・
 「古きものども」はいかに人間を使ったか? いかにして地下へもぐったのか?

 という具合に、クトゥルー神話マニアでなくとも、夢中になって読める本です。
 「ムー民」には絶対オススメの作品です。

 ただし終盤は、いろいろと盛り込まれすぎていて、頭が飽和状態になりました。
 その結果、「古き者ども」がどういう存在だったのか、結局分かりませんでした。

 どなたか、分かりやすく解説してほしいです。
 あるいは、分かりやすく解説してあるHPなどがあったら、教えてください。

 さいごに。(QRコードの恐怖)

 先日、仕事の研修会に参加したとき、その場で事後アンケートをやらされました。
 それがなんと、QRコードで読み取ってサイトに飛び、入力する形式でした。

 「QRコードが読めません」と言ったら、「そんな人いるの?」という周囲の反応。
 みんながみんなQRコードができるわけじゃないんだよ!

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